研究課題/領域番号 |
63550570
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 次雄 東北大学, 工学部, 助教授 (90091694)
|
研究分担者 |
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 助教授 (30176797)
島田 昌彦 東北大学, 工学部, 教授 (80029701)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | ハイドロタルサイト / 層間架橋 / 光-化学エネルギ-変換 / 光触媒 / CdS / ZnS / 超微粒子 |
研究概要 |
陰イオン交換能を有する無機層状化合物であるハイドロタルサイト(HT)はMg(OH)_2のMg^<2+>の一部をAl^<3+>で置換することにより生ずる正電荷八面体層間にCO_3^<2->をインタカレ-トしており、HTを熱分解して得られる岩塩型構造のマグネシウム-アルミニウム酸化物固溶体が、水溶液中の陰イオンを取り込みHT様化合物を再形成することを利用して、水溶液中でマグネシウム-アルミニウム酸化物とカドミウム-エチレンジアミン四酢酸イオン[Cd(edta)^<2->]を反応させ、[Cd(edta)^<2->]を層間にインタ-カレ-トしたHT[Cd(edta)^<2->]を合成した後、HT[Cd(edta)^<2->]をNa_2S水溶液中に分散し、反応させることにより、CdS架橋ハイドロタルサイトHT(CdS)を合成することに成功した。層間のCdSは直径0.3nm程度の超微粒子であり、優れた耐酸化性を示した。また光学的バンドギャップは通常のCdSとほぼ等しく2.4eVであり、可視光により励起可能な光触媒となった。同様の方法で層間にCdSとZnSを同時に架橋したHT(CdS-ZnS)およびCdSを架橋した後、ZnSを架橋したHT(CdS/ZnS)を作成し、200W高圧水銀ランプにより波長350nm以上の可視光照射下でのNa_2S水溶液からのH_2生成量を測定することによりそれぞれの化合物の光触媒能を評価した。光触媒能はHT(CdS/ZnS)>HT(CdS-ZnS)>HT(CdS)であり、HT層間にCdSのみを架橋するより、CdSとZnSの両者を架橋することにより、光触媒能を4倍程度向上させることができた。なおHT層間架橋光触媒では光照射量を増しても反応速度は変わらなかったが、反応温度の上昇により反応が促進されたことより、反応は層内でのイオンの拡散が律速となっていることがわかった。HT(CdS/ZnS)の光触媒反応速度は、通常のCdS/ZnSより遅かったが、反応の選択性に優れており、SO_3^<2->の酸化においてS_2O_6^<2->の生成割合が1/3程度に減少し、SO_4^<2->を高選択的に生成できることがわかった。
|