研究課題/領域番号 |
63550586
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
木村 敏夫 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70090040)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | サスペンション / アルミナ / 複合材料 / 粒子の分散 / スリップキャスト / 成形体の構造 / レオロジ- / ヘテロ凝集 / ζ電位 / テープ成形 / 焼結挙動 |
研究概要 |
水を分散媒としたアルミナ1成分系およびアルミナーシリカとアルミナージルコニア2成分系サスペンション中の粉体粒子の分散性に及ぼすpHおよび中性塩濃度の影響を調べ、泥しょう鋳込み成形により作製した成形体の性質との関係を明らかにした。サスペンションの性質としてζー電位、レオロジ-特性、沈降体積などを、成形体の性質として成形密度、開気孔径分布、焼結挙動(1成分系)、成分分布の均一性(2成分系)を調べた。 1.アルミナ1成分系サスペンション中の粉体粒子の分散性はpHおよび塩濃度に依存し、分散性が悪くなると成形密度が低下し、開気孔径が大きくなり、焼結性が低下した。サスペンション中の凝集粒子をデカンテ-ションで除くことにより、密度の高い成形体が得られ、焼結温度が低下し、高密度・小粒径の焼結体が得られた。 2.アルミナーシリカ2成分系サスペンションでは、pHが3〜8の間でアルミナーシリカ粒子間にヘテロ凝集が生じ、成分分離はあまり無いが、密度の低い成形体となった。pHが2のとき、アルミナ粒子をシリカ粒子が被覆した複合粒子が形成され、複合粒子の分散性はよいので、密度の高い、組成の均一な成形体が得られた。 3.アルミナージルコニア2成分系サスペンションでは、粉体粒子の分散性の良いpHが小さいサスペンションから作製した成形体中では成分が分離した。pHが7以上になると外観上は均一な成形体であったが、それぞれの成分の凝集粒子で構成されていた。pH=4.5のサスペンションの塩濃度を高くしていくと、成分分布の均一な成形体が得られたが、最適な塩濃度が存在し、それは粉体濃度に依存した。塩濃度を高くすると電気二重層が圧縮され粒子間に凝集力が働くが、適当な塩濃度のときジルコニア粒子がネットワ-ク構造を作り、アルミナ粒子の沈降を抑制することが分かった。
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