研究課題/領域番号 |
63550619
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山本 巌 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021169)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ホスニウム塩 / ヴィッティッヒ反応 / 性フェロモン / 非共役エノン |
研究概要 |
ヴィッティッヒ反応、ホーナー・ヴィッティッヒ反応は、炭素-炭素二重結合を導入する上で有用であり、合成化学上、重要な手法となっている。先に、我々は、六員環状ホスニウム塩の同一リン原子による非共役ジェンの合成と、フェロモン合成への応用を報告し、本反応を、タンデム・ヴィッティッヒ反応と命名した。本研究では、五員環ホスニウム塩のタンデム・ヴィッティッヒ反応を応用したフェロモンの合成を検討した。カリウム・t-ブトキシドを塩基に用いた五員環ホスホニウム塩 (1) とアルデヒドのヴィッティッヒ反応は、高選択的にZ-オレフィンを与えた。その反応を、Peach Fruit Mothの性フェロモン (5) の合成に用いた。即ち、 (1) と1-ヘプタナールの、カリウム・t-ブトキシド存在下でのヴィッティッヒ反応により、Z-オレフィン (2) を特異的に得た。ついで、メチルチオ基をリン原子のα-位に導入し、 (3) とした後、ノナナール、あるいは、オクタナールとホーナー・ヴィッティッヒ反応を行うことにより、フェロモン前駆体 (4) を得た。最後に (4) を加水分解することにより、目的のフェロモンのMajor (5a) 、minor (5b) 成分を、高選択的に合成することに成功した。同様にして、他の2〜3の昆虫の性フェロモンの合成も行った。以上のように、γ、δ-非共役不飽和ケトンのビルディング・ブロックとして、五員環ホスニウム塩が有用であることを明らかにした。今後、本反応は、広く有機合成に用いられると考えられる。
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