研究課題/領域番号 |
63550620
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
稲垣 都士 岐阜大学, 工学部, 教授 (10108061)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 立体制御 / 立体設計 / 立体選択 / 立体配座 / 反応中間体 / 分子軌道 / 電子非局在化 / 遷移状態 / 立体選択性 / 芳香族 / 立体電子効果 |
研究概要 |
1.化学結合間のシグマ電子非局在化機構を解明するための理論モデルと解析法を開発・応用して以下の結論を得た。 (1)アンチ共平面効果の原因は、供与結合から受容結合へのビシナル非局在化のみならず、介在する結合から受容軌道へのジェミナル非局在化にもよるものである。軌道位相の連続性がこれを支配している。 (2)ジェミナルσ-結合間での非局在化は反結合性で、結合角が小さくなるにつれて起こりにくくなるため、シクロプロパンの異常な安定性は、σ-芳香族性が原因ではなく、反結合性の電子非局在化が少ないことによる。 (3)Si-Si結合のシグマ電子は非局在化しやすい。 (4)P-P結合をつくる混成軌道はp性が高く、高歪み化合物を形成しやすい。 2.芳香族ジメチル誘導体の脱プロトン化反応の選択性により、スル-ボンド相互作用が誘起効果によって制御できることと、カルバニオン中心と芳香環が強い相互作用していることを示した。 3.ab initio計算により、4員環ハロニウムイオンのジグザグ崩壊という新しい素反応を見いだし、また、F_2のオレフィンのシン付加の原因を明らかにした。 4.立体配座適応という置換基効果の新しい側面を明らかにした。 5.π面選択性に及ぼす5位置換基効果は、置換基の軌道エネルギ-により反応点でのフロンティア軌道の性質が異なるためである。 6.π-過剰ヘテロ芳香族のメチル基から脱プロトン化する方法を初めて開発し、2-メチルインド-ル誘導体の位置特異的合成法に応用した。 7・ヘテロ縮合5員環芳香族異性体の相対的安定性を支配しているのが、6e/4p、6e/5p共役でなく、6e/6p共役であることを明らかにした。
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