研究課題/領域番号 |
63550659
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小見山 二郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016574)
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研究分担者 |
佐藤 満 東京工業大学, 工学部, 助手 (10143679)
仲西 正 お茶の水女子大学, 家政学部, 助手 (90198143)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 荷電膜 / ポリビニルアルコール / 塩 / 選択透過 / 膜ポテンシアル |
研究概要 |
ポリビニルアルコールを2-ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタールで橋かけした膜をトリエチル、トリ-n-プロピル、トリ-ブチル、N、N-ジメチル-n-ドデシルアミンで四級化、荷電基近傍の疎水性の異なる膜を調整した。これらの膜について、NaI、NaClO_4、NaNO_3、NaBr、NaClの分配係数、膜ポテンシアル、透過係数を測定した。 塩の分配係数は上の4つの膜全てについて、NaClO[_<4]>【similar or equal】NaI NaNO_3.・simeq.☆NaBr>NaClの順に減少した。膜中の水に対する分配係数は4つの膜の含水率に対して直線的な関係をもつことが分った。NaClO_4は膜内の全ての水に溶解するが、他の塩は水の一部から排除される。 塩濃度比を5.〇倍に保った膜ポテンシアルの測定から、膜の荷電密度とカチオンとアニオンの易動度比を求めた。荷電密度は塩の種類によらずほゞ一定であった。水中ではほとんど変わらないアニオンの易動度は4つの膜中でCl[^<-]>>Br[^<-]>>NO_3^->I^-の順となった。これはそれぞれのイオンの膜基質に対する親和性の逆の順であると推論した。 4つの膜について、塩の透過係数はNaI【・gtoreq.】NaClO_4>NaNO_3>NaBr>NaClの順となった。NaIとN.Clでは最大5倍程度の透過係数比が見出された。またそれらの透過係数比と分配係数比は膜の含水率に対してほゞ対応する依存を示し、透過係数の大小は分配係数によることが明らかとなった。 これらの結果を総合すると荷電ポリビニルアルコール膜の塩透過は、荷電基近傍の疎水性による膜の含水率によって支配され、このことを通して塩の選択透過性を〜5倍の程度に実現できることが明らかになった。
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