研究課題/領域番号 |
63550666
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小谷 壽 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027019)
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研究分担者 |
綱島 良祐 京都大学, 化学研究所, 助手 (30089130)
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70124758)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 二置換ポリアセチレン / 気体混合物 / 透過 / 分離機構 / 自由体積モデル / 分子運動 / ポリ[1ー(トリメチルシリル)ー1ープロピン / ポリ [0ー(トリメチルシリル)フェニルアセチレン / 分離 / 二置換ポリアセチレン膜 |
研究概要 |
1.製膜後約3ヶ月間真空中に保持して、気体透過性の経時変化がほぼ認められなくなったポリ[1-'(トリメチルシリル)-1-プロピン][P(TMSP)]膜への、二酸化炭素、イソブタン、アセトンを成分とする二元混合物の透過挙動を30℃で測定した結果、単独透過において透過係数が正の力依存性を示す成分気体は、混合物透過において相手成分気体の透過係数を、その単独透過の時の値よりも大きくすることが明らかになった。また混合透過における二酸化炭素、あるいはイソブタン、に関する透過係数の圧力依存性は、膜への溶解度が高いアセトンに関する透過係数の圧力依存性に近いことがわかった。 2.上述の測定結果は、P(TMSP)膜が30℃においてガラス状態にあるにもかかわらず、気体-ガラス状高分子系の透過挙動を説明するために提出された二元輸送モデルの予測とは全く異なり、気体-ゴム状高分子系の挙動を説明するために提出された自由体積モデルに近いものであることが明らかになった。 3.P(TMSP)と同じく置換基中にトリメチルシリル基をもつポリ[o-(トリメチルシリル)フェニルアセチレン][P(TMSP)]膜への酸素、窒素などの気体の透過挙動を調べ、P(TMSP)膜についての結果と比較検討した。イソブタンのように大きい分子を除いて、透過係数は1/2ないし1/3であるが、理想的分離係数は数倍大きいことがわかった。また、P(TPA)膜は、気体透過係数の経時変化をほとんど示さなかった。 4.両試料膜の^<13>C及び^<29>Si固体高分解能NMR測定を行って、上記の諸結果は、トリメチルシリル基の高い運動性により、膜中で気体分子の移動経路となる主鎖間の局所的環境が、ゴム状高分子膜中のそれとほぼ変わらないものになっているために得られたことを明らかにすることができた。 5.以上を総合して、高気体透過性のP(TMSP)及びP(TPA)膜の気体混合物分離機構は、ポヂメチルシロキサンのようなゴム状高分子膜のそれとほぼ変わらないものと結論される。
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