研究課題/領域番号 |
63550667
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
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研究分担者 |
小高 忠男 大阪大学, 理学部, 教授 (20027022)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 液滴 / 電場 / ポリマ-アロイ / 粘弾性 / セチルトリメチルアンモニウムブロマイド / ポリアクリルアミド / 凝平衡弾性率 / 界面張力 / 緩和時間 / ポリマーアロイ / ポリジメチルシロキサン / 表面張力 |
研究概要 |
誘電体中に分散した液滴に比較的弱い電場を印加すると液滴は回転楕円体に変形し、さらに電場強度を増すとバ-ストする。この現象を高分子多相系(ポリマ-アロイ)に応用すると、そのモルフォロジ-を電場によって制御できると予想される。本研究ではポリジメチルシロキサン(PDMS)中に凝平衡弾性を示すポリアクリルアミド水溶液またはセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)とサルチル酸ソ-ダ(NaSal)の混合水溶液を液滴として分散させ、電場変形挙動を観察した。液滴の変形度Dを楕円体の長軸X、短軸Yを用いて、D=(Y-X)/(Y+X)と定義する。電場を印加した後のDDを時間tの対数に対してプロットすると2段階の変化が見られた。この挙動は粘性液滴で見られる単一遅延型の変形と異っている。この説明として、液滴は短時間域では弾性体として変形するが、時間の経過と共に液滴の粘弾性緩和が起るため、弾性率が減少し、さらに界面張力と釣合う変形度まで変形すると考えられる。短時間域の凝平衡変形度D_Fおよび遅延時間はそれぞれ理論的に D_F=(9ε_0K_2E^2/16)/(γ/b+5G^°_N/4)……(1) τ_F=η_2/(G^°_N+γ/b)……(2) と与えられた。ここにε_0は真空誘電率、K_2は媒体の比誘電率、γは界面張力、Eは電場、bは半径、G^°_Nは液滴の凝平衡ずり弾性率、η_2は媒体粘度を表わす。実測のD_F、τ_Fは(1)、(2)式とほぼ一致した。しかし長時間域での最終変形度は(1)式でG^°_N=0とした値より約40%大きい値を示した。変形の時間依存性はMaxwell要素とVoigt要素を並列に結合した力学模型でよく表現できた。ここにMaxwell要素とVoigt要素のバネ定数はG^°_N、γ/bでダルシュポルトの粘度はそれぞれ液滴の粘度η_1および媒体粘度η_2に等しい。以上のように粘弾性液滴の変形挙動がほぼ解明できた。
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