研究課題/領域番号 |
63550684
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
近藤 修寿 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40024335)
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研究分担者 |
KONDO Shuji
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 極性非プロトン溶媒 / 固定化 / 相間移動の触媒 / カチオン抽出 / 脱溶媒和 / 協同効果 / キレ-ト / ポリ-L-ロイシン / 相間移動触媒 / カチオン吸着 / 高分子効果 / 反応場 |
研究概要 |
高分子相間移動触媒は、学問的興味からだけでなく、生成物の分離ならびに触媒の回収を容易にするという省資源、省エネルギ-の面から工業的にも非常に重要である。しかしながら、現在までに報告されている触媒の多くは、オニウム塩やクラウンエ-テル等の低分子相間移動触媒を架橋高分子に担持させたものであり、その活性は一般に対応する低分子触媒に劣り、かつ高価であったり、安定性に乏しい等の欠点がある。そこで、極性非プロトン溶媒がクラウンエ-テルと同様にアルカリ金属カチオンに強い相互作用を持つことに注目し、これらの活性点を持つポリスチレンを対応する新規のビニルモノマ-から合成し、その相間移動触媒活性を評価した。 その結果、これらの高分子は水相-有機相二相系の求核置換反応の触媒として非常に優れていることが分かった。一方、低分子類縁体には、そのような触媒活性は、ほとんど見られなかった。このことは、合成化学への寄与とともに、高分子効果の発現の面から注目に値するものである。この事実は、これらの高分子の共重合組成とアルカリ金属カチオン抽出能、及び触媒活性の関係の詳細な検討から、生体触媒である酵素と同様に官能基の協同作用によるキレ-トの生成、及び活性点周りの疎水場の形成による、アニオンの脱溶媒和のため解釈される。 これらの高分子触媒は、付加反応、脱離反応、酸化、還元反応の触媒としても有効であり、また回収、再使用しても、活性の低下は、わずかであった。さらに、これらの触媒反応に及ぼす実験的因子について研究した。以上の知見は、この種の高分子触媒の設計並びに触媒反応の条件設定に重要な指針を与えるものと確信する。
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