研究課題/領域番号 |
63550702
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
上山 惟一 東洋大学, 工学部, 助教授 (10092149)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 気泡混相流動 / 流動状態遷移 / 周期現象 / 極微量不純物 / 遷移周期 / 気泡合一 |
研究概要 |
同一ガス流速で気液混相流動を行わせているにもかかわらず、流動状態が気泡流動状態と循環流動状態との間を往復することがある。本研究では、その周期に対する添加不純物の効果を実験的に検討した。メチルアルコールからアミルアルコールの5種のノルマルアルコールを用い、液中への添加濃度を種々変化させて、この流動状態遷移の周期を測定したところ、次のような相関式を得た。 ここで、Sは流動状態遷移の周期、τは使用したアルコール水溶液中で気泡を合一させた時の合一所要時間、〓は使用アルコールの拡散係数、U_Gはガス空塔速度、εはガスホールドアップである。Tは1.6×10^<-3>、2.9×10^<-3>および6.4×10^<-3>秒とした。例えばT=6.4×10^<-3>秒の場合、アルコール水溶液濃度はエタノールでは4.8×10^<-4>M、ペンタノールでは1×10^<-5>Mと、約50倍の差がある。水溶液濃度は極めて小さく、表面張力変化は検出できない。拡散係数はメタノールとペンタノールでは約2倍の違いがある。それにもかかわらず、周期が上に示したような相関式に表現出来るということは、この流動状態遷移の周期現象が、物質移動現象および気泡の合一現象とによって支配されていることを意味する。 周期Sは、極微量の水中添加物の存在に大きく影響される。したがって、この周期現象の測定から、直接的には気泡合一時間τの推定が可能であり、そのτの値に極微量不純物濃度の推定が可能となる。 この準周期現象は、通常の測定にはかからないような極微量の不純物の働きをクローズアップする現象であり、物質移動と気泡合一現象との複合現象であることが明きらかになった。
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