研究課題/領域番号 |
63550727
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発酵工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
嶋尾 正行 鳥取大学, 工学部, 助手 (00032285)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ポリビニルアルコール / 共生細菌系 / Pseudomonas sp.VM15C / ピロロキノリンキノン / ポリビニルアルコール脱水素酵素 / ポリビニルアルコールオキシダーゼ / チトクロームC |
研究概要 |
ポリビニルアルコール(PVA)を分解する共生細菌系は、PVA分解菌とその増殖因子であるピロロキノリンキノン(PQQ)を生産する細菌より構成されている。PVAの分解におけるPQQの役割を検討した結果、従来より知られているPVAオキシダーゼとは別に、PVA脱水素酵素がPVAの酸化に必須であり、この酵素がPQQを要求することが明らかとなった。また、この脱水素酵素は呼吸鎖と共役し、PVAより増殖に必要なエネルギーを生産することも示唆されている。本研究ではPVA分解菌の突然変異株を用いてこの酵素の意義を明らかにするとともに、PVA脱水素酵素の電子伝達成分について検討した。 1.PVAオキシダーゼ欠損突然変異株ND1.PVA分解菌Pseudomonas sp.VM15Cより得たND1株はPVAに成育することから、PVAオキシダーゼはPVA分解には必須の役割をもたないことが明らかになった。また、ND1の膜画分によるPVA酸化ではチトクロームの還元が認められ、一方、親株をPQQ非存在下にペプトン培地で育成させて得た膜画分を用いた場合、チトクロームの還元にPVA脱水素酵素は電子伝達系と共役していることを示している。 2.PVA分解菌のチトクロームC.PVA分解菌VM15C株のPVA成育菌体より各種のクロマトグラフィーを行って、チトクロームCをディスク電気泳動的に均一な標品として得、その分子量、分光学的特性を明らかにした。 3.PVA脱水素酵素とチトクロームCとの共役.精製したチトクロームCは、高度に精製したPVA脱水素酵素の電子受容体となることを明らかにした。すなわち、PVAの酸化がPVA脱水素酵素によって触媒され、その直接の電子受容体としてチトクロームCが機能する。
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