研究課題/領域番号 |
63560039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 幸男 東京大学, 農学部, 助手 (60125987)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 昆虫 / タマネギバエ / タネバエ / 植物2次物質 / 抗酸化酵素 / ス-パ-オキシド ディスムタ-ゼ / 解毒酵素 / グルタチオン Sートランスフェラ-ゼ / ス-パ-オキシドディスムタ-ゼ / グルタチオンS-トランスフェラ-ゼ / 解毒機構 / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / 精製 |
研究概要 |
昆虫の解毒酵素として重要なグルタチオンSートランスフェラ-ゼ(GST)をタマネギバエ、Delia(Hylemya)antiquaより単離・精製し、その生化学的性状を調べた。また、体内で発生する有害な活性酸素を除去する抗酸化酵素群については、植物2次物質およびケルセチンがタマネギバエとその類縁種タネバエ、__D.platuraの本酵素活性に及ぼす影響について調査した。結果の槻要は以下のとおりである。 1.タマネギバエ幼虫のGSTを、硫安分画、DEAEーセルロ-ス、GSHーアフィニティークロマトグラフィ-により精製した。このGSTは分子量約23.5kDのサブユニットからなる分子量約50.0kDのホモニ量体であった。このGSTの触媒する2基質反応は、sequential mechanismに従っていた。GSTはグルタチオン抱合反応以外にも多くの機能を持つことが知られ、アイソザイム間に機能分化が認められている。タマネギバエのGSTは一分子種で、ビリルビン結合機能、ヘマチン結合機能、有機過酸化物のペルオキシダ-ゼ活性など多彩な機能を有していた。 2.タマネギバエ・タネバエの抗酸化酵素群、ス-パ-オキシド ディスムタ-ゼ(SOD)、カタラ-ゼ(CAT)およびグルタチオン ペルオキシダ-ゼ(GPOX)の活性に及ぼす植物2次物質の影響を調べた。寄主植物、タマネギ鱗茎、ダイズ種子で飼育した幼虫のSOD活性は、植物2次物質を含まない合成飼料で飼育した幼虫の2.0〜3.3倍高かった。タマネギ鱗茎中のプロオキシダント、ケルセチンは、合成飼料中の含量1%で両種のSOD活性を2.3〜2.5倍に上昇させた。CAT活性は両種ともに高レベルで、食餌の種類によらすほぼ一定であったが、どの処理区でもタネバエはタマネギバエの約1.5倍の活性を示した。GPOX 活性はタマネギを食餌としたタマネギバエ幼虫において著しく阻害されていた.この阻害は0.1%ケルセチン投与区でも認められた。
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