研究課題/領域番号 |
63560059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小島 邦彦 東北大学, 農学部, 教授 (70005669)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リン酸アルミニウム / クエン酸 / ニンジン / 培養細胞 / アルミニウム耐性 / 難溶性エン酸の可給態化 |
研究概要 |
難溶性リン酸(AlPO_4、FePO_4)を単一リン酸給源として良好に生育できるニンジン培養細胞の選抜株(LP-T)は、培地中に多量のクエン酸を放出する。本研究では、AlPO_4粉末をリン酸給源として用い、細胞の生育におけるクエン酸放出の役割を定量的に解析し、LP-T株における難溶性リン酸からのリン酸可給態化能力について詳細に検討した。 AlPO_4粉末は、市販試薬を粉砕、洗浄し調製した。選抜、非選抜株をそれぞれ2系統ずつ供試し、AlPO_4(2mM)給源下で培養し、生育及び、培地中のクエン酸、可溶性Alを経時的に測定した。AlPO_4給源下での生育とクエン酸放出量の関係;供試したすべての細胞株において、生育量とクエン放出量の間に直線相関がみられた。このことは、AlPO_4給源下での生育量が、クエン酸放出量に依存していることを示していた。培地中のクエン酸、Al複合体の形態;培地中のクエン酸と可溶性Alの比率は1:1であり、吸収されにくいクエン酸Alが生成していると考えられた。全ての細胞株でその比率が変わらないことから、クエン酸により、AlPO_4からリン酸を可給態化する比率は同じと考えられた。従ってクエン酸放出能が高いほど、AlPO_4から多量のリン酸を獲得し、良好に生育できると考えられた。クエン酸放出能力;AlPO_4を含む培地に移植直後のクエン酸放出能を調べた。定常期の細胞を移植した場合、選抜株は移植6時間後に放出を開始したが、非選抜株は少なくとも12時間放出を示さなかった。また、対数増殖期の細胞を用いた場合、選抜株ではただちに放出がみられたが、非選抜株では12時間以内の放出はみられなかった。このことから、選抜株はクエン酸放出能が非選抜株に比べ高いと考えられさた。
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