研究課題/領域番号 |
63560065
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山谷 知行 東北大学, 農学部, 助教授 (30144778)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 光呼吸窒素循環系 / ミトコンドリア / グルタミン酸脱水素酵素 / グルタミン合成酵素 / 重窒素 / GO-MS / ウエスタンブロッティング / 化学量論 |
研究概要 |
光呼吸代謝過程で、ミトコンドリアで放出されるNH_4^+は、理論上2モルのグリシンからノモルNH_4^+とされる。このNH_4^+の一部は、グルタミン酸脱水素酵素(GDH)の触媒でミトコンドリア内でグルタミン酸に同化され、系外で利用されるモデルを提案した。しかし、ミトコンドリアにはNH_4^+プールや他の系由来のNH_4^+があり、グルタミン酸合成の化学量論的解析はされていなかった。本年度は、エンドウ葉からミトコンドリアを単離し、^<15>Nグリシン(99atom%excess)を与え、生成する^<15>NH_4^+を測定して2^<14>+NH_4^+による重窒素の希釈を検討した。生成した^<15>NH_4^+は、コンウェイ微量拡散装置で回収し、牛肝GDHでグルタミン酸に変換後、ガスクロマトグラフ-質量分析装置で^<15>N濃度を測定した。その結果、約10%の^<15>NH_4^+が内在性の^<14>NH_4^+で希釈されているたとが判明した。従って、以前求められた^<15>Nグリシン由来の^<15>Nグルタミン酸合成量は、約10%低く見積もられていたことになる。また、この系にα-ケトグルタル酸を加えると、約8倍グルタミン酸合成量が増加することも明らかとなった。今後、さらにミトコンドリアによるグリシン/セリンの変換の化学量論的な解析を、詳細に調べ光呼吸系からの窒素利用を明らかにする予定である。 他方、放出されるNH_4^+の再同化を分子生物学的に解析するため、同化酵素のGDHとグルタミン合成酵素(GS)をそれぞれ均一に生成し、ウサギに免疫後、抗血清を得た。GS抗血清を用いた検討によると、水稲葉では2個、根では4個のアイソザイムの存在が、二次元電気泳動とウエスタンブロッティングにより確認された。また葉のGSは、in vitro翻訳系を用いた所、分子量のやや大きいプレカーサーとして合成されていた。今後、GSとGDHの発現を、抗体を利用して、蛋白とmRNAに着目して検討する予定である。
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