研究課題/領域番号 |
63560071
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学等
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 修一 東北大学, 農学部, 教授 (70005586)
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研究分担者 |
伊藤 道子 東北大学, 農学部, 教務職員
駒井 三千夫 東北大学, 農学部, 助手 (80143022)
古川 勇次 東北大学, 農学部, 助教授 (60005626)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | 無菌マウス / ビタミンK / ビオチン / 真性の欠乏症 / 腸内フローラ / 生体内動態 |
研究概要 |
本研究は、ビタミンKとビオチンの真性の欠乏動物を無菌マウスを用いることによって作出し、これらビタミン類の真性の欠乏時の代謝について検討したものである。 1.真性のビタミンK欠乏時のビタミンKの生体内動態 〓プロトロンビン時間等の測定から、真性の欠乏時には、抗生剤投与時の欠乏と比べて凝固因子の低下が著しく、より重症な欠乏状態にあることがわかり、欠乏症の成因が異なるものと考えられた。〓肝臓中のビタミンK含有の測定から、これまで重要視されてきたMK-4は、K欠乏の状況と必ずしもパラレルな関係を示していないことがわかった。このことは、抗生剤ラタモキセフを投与した実験系でも認められ、むしろ肝臓中のMK-6含量がK欠乏の状況をよく反映しているようであり、MK-6の挙動が重要な鍵を握っているものと考えられた。〓^<14>C-MK-4の大腸からの吸収をみたところ、投与されたMK-4は肝臓に確実に取り込まれていることがわかった。さらに、真性の欠乏動物にMK-4を大腸内に投与したところ、肝臓中のPIVKA-IIが改善され、欠乏を実際に治癒していることを認めた。 2.真性のビオチン欠乏時の代謝 〓妊娠した無菌マウスの実験系で真性のビオチン欠乏動物を作出することができた。このビオチン欠乏食を与えた母体から生まれた新生仔には重篤な骨形成の不全が起きていることが示された。〓さらに、この骨形成以上の一つの可能性として、ビオチン欠乏下では肝臓中のアスコルビン酸が減少し、骨のコラーゲン成分であるヒドロキシプロリンの生成が阻害されていると考えられる成績を得た。 以上のように、ビタミンKとビオチンの真性の欠乏時の代謝について、これまで不明であった部分が一部明らかにされ、これらビタミンの生理作用の今後解決すべき新しい問題が提起された。
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