研究課題/領域番号 |
63560085
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内海 成 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40111976)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 大豆タンパク質 / グリシニン / タンパク質工学 / 遺伝子発現 / 分子集合 |
研究概要 |
世界の抱えている飽食と飢餓の問題を解決するためには、成人病誘発の心配のない植物性タンパク質の栄養性、消化性、機能特性を改善することが要求される。このためには、目的タンパク質の分子構造を解明することが第1義的に必要である。本研究では、大豆タンパク質の主要成分であるグリシニンの分子構造をタンパク質工学の手法を用いて解明することを目的とした。 1.グリシニンの構成サブユニットに対するcDNAの微生物細胞における発現系の確立を図った。大腸菌では、その発現にシグナルペプチド部を除去することが必須であることを発見し、発現条件を制御することにより大量発現系を確立した。酵母では、シグナルペプチド部が正しく切断される大量発現系を確立した。 2.大腸菌での発現系を利用して、微生物での発現タンパク質の構造と性質を調べた。その結果、発現タンパク質は大豆グリシニンと同様に分子集合し、類似の2次構造を示した。また、大豆グリシニンに固有の基本的性質(冷沈性、カルシウム沈澱性)および食品機能特性(加熱ゲル化性、乳化性)を示した。つまり、グリシニンの分子構造をタンパク質工学的に解析するための遺伝子工学的基盤を確立することができた。 3.グリシニンの各構成サブユニットについて、ドメイン交換、親水性領域の除去、メチオニンを連続してコ-ドする合成DNAの挿入などによって、各種改変遺伝子を作製し、現在、各改変タンパク質を大量に調製している。 4.各種改変グリシニンの分子集合能、高次構造を解析し、大豆グリシニンと比較することにより、グリシニンの分子構造を解明してゆきたい。
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