研究課題/領域番号 |
63560115
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
矢木 修身 国立環境研究所, 水土壌圏環境部・水環境質研究室, 室長 (40132865)
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研究分担者 |
冨岡 典子 (富岡 典子) 国立環境研究所, 水土壌圏環境部・水環境質研究室, 研究員 (40168399)
稲葉 一穂 国立環境研究所, 地域環境グループ・化学物質健康リスクチーム, 主任研究員 (60176401)
内山 裕夫 国立環境研究所, 水土壌圏環境部・水環境質研究室, 主任研究員 (00185042)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Microcystis / Anabaena / ラン藻 / 水の華 / 増殖 / 増殖促進物質 / キレ-ト化合物 / 銅 / Chlorella / 比増殖速度 / 増殖特性 |
研究概要 |
1988年〜1990年の3年間、6月〜11月の春〜秋にかけ霞ケ浦においてMicrocystis viridis,M.aeruginosa,M. wesenbergii の3種のMicrocystesならびに Anabaenaの現存量の変化を調べた。その結果、7月にAnabaenaが10^5/ml程度増殖し優占種となり、8月〜9月にかけM.aeruginosaが優占し、9月末から M.viridisが優占する現象が観察された。 有毒藻のM. viridisの秋に優占する原因を明らかにすべくM. viridisの生理学的特性について検討を加えた。M.viridis Nー1 は30℃、連続照射条件下では増殖できず、最大の比増殖速度は25℃の0.18day^<ー1>であり、他と比べ比増殖速度は遅い株であるが低温に強い株であることが判明した。また、光合成活性に及ぼす温度と照度の影響についても検討を加えた。M.viridisは藻体当りの光合成活性は他の種と比べかなり低温側に最適条件が存在した。この点からもM.viridisは低温性の株といえる。以上のことからM.viridisは夏期には優占しにくい種であると考えられた。 Microcystisの増殖に及ぼす重金属の影響について検討を加えた。銅のMicrocystis3種へのEC_<50>(50%比増殖阻害濃度)は1ppb程度であり、クロレラより30倍感受性が高かった。またこの1ppbは自然界の銅濃度に近いものであった。銅の毒性はキレ-ト物質、土壌抽出物、鉄により解除された。またAnabaenaの共存により阻害が減少した。以上のことから自然界で非常に増殖しにくいMicrocystisは、微量の有機物質や鉄の存在により増殖が可能となるものと考えられた。この微量有機物質は藻類の生産物や底泥からの抽出物であると推定された。窒素、リンのみならずMicrocystisの異常増殖の抑制には鉄や微量有機物質による制御の可能性が示唆された。
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