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人爲的な寄主個体群を用いたマツカレハ卵寄生蜂の生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63560142
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 林学
研究機関東京大学

研究代表者

小久保 醇  東京大学, 農学部(林), 講師 (10012072)

研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードマツカレハ / 卵寄生蜂 / 放飼実験
研究概要

1.茨城県鹿島郡の海岸地帯のクロマツ林で、1988年から1990年にかけて、マツカレハ卵に対する寄生蜂の種構成や寄生率を調べた。3種の寄生蜂マツケムシクロタマゴバチ、フタスジタマゴバチ,キイロタマゴバチによる総寄生率は全般的に低く、40%を越えることもあったものの,普通は30%以下であり,この傾向は過去十数年間における観察結果と同じであった。南北30kmにわたる調査区のうち,北部ではフタスジタマゴバチ、南部ではキイロタマゴバチの寄生率が最も高かったが、マツケムシクロタマゴバチのそれは寄主卵の早期出現や年2回出現が起こった後に一時的に高まることがあっても、3種のうちでは常に最も低かった。
2.寄主を野外に放飼して寄主の年2回出現を人爲的に再現し、これに対する寄生蜂の寄生の仕方を調べる実験を3年間にわたり行なった。放虫数に比べ得られた卵塊数は極めて少なかったが(10%以下),この原因は放飼したマツカレハの老熟幼虫や蛹(いずれも室内飼事による)が鳥に捕食されたためと思われた。卵塊出現率(卵塊数/放虫数)は季節によってやや異なっており、夏よりも秋の方が高かったが,これは鳥の捕食の仕方が異なるためではないかと考えられた。卵寄生蜂の寄生率をみると,マツケムシクロタマゴバチの寄生率は自然個体群の寄生卵に対するよりも高まっており,人爲的に野外につけ加えられた卵塊の影響が明らかに表われていると判断された。かつて寄主卵が1年に2回出現していたころ,常に高い寄生率(70〜80%)を保っていた本種が、寄主卵の出現が1年に1回へと変化(主要因は大規模な地形の変化に伴う各の微気象の変化)するにしたがって急速に寄生率を低下させていった原因は,本種がこの地方では特にマツカレハに強く依存していたためと考えられたが、今回行なった野外観察や放飼実験から2の考え方がほぼ確からしいと結論された。

報告書

(4件)
  • 1990 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1989 実績報告書
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 田村 正人: "都市公園におけるマツカレハの生命表" 第100回日本林学会大会論文集. 595-596 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小久保 醇: "茨城県鹿島地方におけるマツカレハ卵寄生蜂の種構成と寄生率" 第42回日本林学会関東支部大会論文集. - (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Masato Tamura, Kazuomi Endo, Koichi Iwata and Atsushi Kokubo: "Life tables for the pine, moth, Dendrolimus spectabilis Butler in an urban park (In Japanese)" Trans. 100th Mtg. Jap. For. Soc.595-596 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Atsushi Kokubo, Masato Tamura, and Hitoshi Matsui: "Species composition and percentage parasitism of hymenopterous egg parasites of the pine moth, Dendrolimus spectabilis Butler in Kashima district, Ibaraki Prefecture (In Japanese)" Trans. 42th Mtg. Kanto Branch. Jap. For. Soc.(1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小久保 醇: "茨城県鹿島地方におけるマツカレハ卵寄生蜂の種構成と寄生率" 第42回日本材学会関東支部大会論文集. (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 田村正人,遠藤和臣,岩田功一・小久保醇: "都市公園におけるマツカレハの生命表" 第100回日本林学会大会論文集. 595-596 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 小久保醇、松井均、長屋和行: 第100回日本林学会大会論文集. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 田村正人、遠藤和臣、岩田功一、小久保醇: 第100回日本林学会大会論文集. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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