研究課題/領域番号 |
63560156
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
加藤 忠太郎 山形大学, 教育学部, 助教授 (40023444)
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研究分担者 |
河合 康則 山形大学, 教育学部, 講師 (80161272)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 木工用刃物 / クロムめっき / 平削り / 摩耗 / 逃げ面 / 超仕上げ鉋盤 / 寿命 / 自己研摩 / 磨耗 / 木材 / 自己研磨 / 切削 / 木材切削 / 刃物綱種 / 切込量 / クロム厚 / 摩耗形態 / 切れ味 |
研究概要 |
刃物は、木材を切削するにしたがって、刃先が丸みを帯びるように摩耗する。本研究は、このような摩耗経過をたどらないように、刃物の逃げ面だけに非常に薄くクロムをめっきすることにより、逃げ面側の摩耗を抑制する一方めっきをしていないすくい面側から主に摩耗を進行させて、刃先が常に鋭利に維持される自己研摩と呼ばれる特性をもたせた木工用刃物の開発を目的として行われた。 まず、平削り切削試験機を試作して、気乾状態の木材の二次元平削りを刃物が寿命になるまで繰り返す基礎実験を行った。めっきをしていない刃物でも、刃先近傍のすくい面が切屑の流出圧力によって押しこすられたように摩滅することや、靱性の大きい鋼種ほど、刃先の丸みが小さく維持されることが分かった。そこで、靱性の大きい鋼種である青紙一号、SKS-3,SKH-51について、クロムめっきした刃物を実験したところ、逃げ面にめっきした刃物が、自己研摩特性を明確に示した。すなわち、刃先は常に鋭利に維持された。それゆえに、刃物は切削初期の切れ味を寿命近くまで維持するという驚異的なことが明らかになった。また、めっきした刃物は、めっきしていない刃物の5倍以上の寿命を示した。なお、青紙一号やSKS-3の方が、SKH-51より良好な自己研摩特性を示した。クロム厚さの有効範囲は0.6μm-3.1μmであった。最適な切込量は50μmであった。 次に、これらの基礎実験の結果に基づいて、鋼種をSKS-3、クロム厚さを2μmとしためっき刃物を用いて、超仕上げ鉋盤による実用試験を行った。試験したすべての条件である5樹種、0°〜60°のバイアス角、40μm〜160μmの切込量に対して自己研摩特性が現れた。以上のように、クロムを逃げ面にめっきした刃物の実用の可能性を明らかにし、本研究の目的をほぼ達成することができた。
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