研究課題/領域番号 |
63560165
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
堀場 義平 三重大学, 教育学部, 教授 (00024555)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細胞配列パタ-ン / 年輪年代学 / 定量解析 / 樹高間相関 / 地域間相関 / 気象相関 / 樹令効果 / 年輪巾効果 / 細胞配列パターン / 細胞径と壁厚 / 画像解析 / 年代効果 / 年令効果 / 年輪幅効果 |
研究概要 |
本研究は、細胞オ-ダ-を主体に年代的処理を試み、スギ材・クロマツ材およびヒノキ材を対象に、細胞配列の定量化を図ると共に、同一個体の樹高間相関(スギ)、気象要因との関係(クロマツ)、および異個体の地域間相関(ヒノキ)について考察し、年輪年代学の今後の指針を得ることを目的とした。 まず、定量化については、樹幹横断面半径方向における各年輪の細胞径・壁厚の累積率曲線から45°方向の基線を差し引いた波形曲線(累積率指標曲線)をフ-リエ級数で表わし、1〜4次の調和項を配列定数とする。これらの配列定数のほか、配列モデルに関与する年輪内の細胞数・平均壁厚率などは、すべて外観的年輪情報として得られる令階と年輪巾を知れば、その重回帰式により求められることがわかった。 すなわち、細胞配列パタ-ンは樹令効果と年輪巾効果が認められる。 つぎに、スギ材(46年生)における樹高間(1mと11m部位)相関では、年輪曲線には相関が認められないが、細胞径配列に相関が認められ樹高間効果の可能性を示唆してくれた。 また、クロマツ材(46年生)における気象要因との関係では、平均気温・平均降雨量とも細胞数との相関が認められなかったが、台風により冠水被害を生じた年代の翌年に壁厚パタ-ンが異常となり、正常回復に2〜3ケ年かかっていることが認められた。 さらに、ヒノキ材(AB:232年生、C:244年生)における地域間相関では、同一成育地(衰木曾産AB)で年輪曲線・細胞配列とも相関が認められ、異地域(衰木曾・木曾産C)で年輪曲線のみに相関が認められた。 以上の結果、針葉樹材の細胞配列については、一般的な定量化が可能であり、樹高間・地域間相関の可能性も示唆してくれた。
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