研究課題/領域番号 |
63560166
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
徳田 迪夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50012018)
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研究分担者 |
鈴木 直之 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40106977)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 自動釘打機 / 釘引抜き耐力 / 釘せん断耐力 / 釘打ちによる木材の割れ / 釘の胴部形状 / 釘の連結方式 / 引抜抵抗力 / せん断耐力 / 釘形状 / 木材組織の破壊 |
研究概要 |
自動釘打機は木構造の工法の変化に伴って益々重要性を持ってきている。従来は機械本体の改良に主力が注がれ、釘自体の形状や形成された釘接合部の性能についての研究は極めて少い。手打ちと同等の耐力がでるかどうかの確認に止っていた。本研究は自動釘打機を用いた釘接合部の耐力機構を明確にして、合理的な接合部設計に資することを目的とした。1.引抜き耐力:釘打ちによる木材の割れと引抜き耐力の関係および釘胴部形状と引抜き耐力の関係に主眼を置いた。まず走査電顕による観察の結果、打込みスピ-ドが速い程木材の割れが大きいことが判明した。次に木材の割れ面積と引抜き耐力の関係を調べたところ、従来の定説と異なり、割れ面積と引抜き耐力とは一次比例の関係にあった。従って機械打ちの方が手打ちより引抜き耐力は勝った。ただし釘打機用の釘同士がワイヤ-で連結されている場合には、ワイヤ-が木材を傷つけるために耐力は手打ちと同等であった。また割れが材端や隣接する釘の割れと連結した場合には耐力は極端に落ちた。リング釘は打込みによる木材の破損が顕著で、手打ちと機械打ちの差はなかった。引抜き耐力の発生機構には木材からの側圧に依存するものと摩擦に依存するものがあり、今後は両者をバランス良く兼ね備えた釘の開発が重要な課題となる。2.せん断耐力:結果を要約すると、1)機械打ちと手打ちでせん断剛性及び強度の有意差はなかった。ただしプラシ-ト連結については今後検討の余地がある。2)SPFがベイツガに比べると打込みによる割れが少いため、比重が低い割には初期剛性が高かった。3)リング釘は初期剛性がスム-ズ釘やスクリュ-釘に比べると劣った。側材がスギ板の場合にこの傾向がつよかった。リングによる側材の破損と考えられる。 本研究によって自動釘打機による釘接合部の特徴を捉えることができた。今後は、基礎研究を新しい釘の開発につなげていきたい。
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