研究課題/領域番号 |
63560186
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小栗 幹郎 名古屋大学, 農学部, 教授 (40023402)
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研究分担者 |
大村 百合 名古屋大学, 農学部, 助手 (50023479)
丹羽 宏 名古屋大学, 農学部, 助教授 (80023448)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 魚類 / 日周リズム / 網膜 / 松果体 / 網膜運動反応 / 光受容細胞 / 微細構造 / シナプスリボン |
研究概要 |
魚類の行動や生理現象にみられる日周リズムの発現機構における光覚器(網膜・松果体・脳組繊)の役割を明かにする目的で、実験魚を12Lー12Dで1週間あるいは1カ月以上飼育した後、明期および暗期に各々抽出固定し、明順応標本と暗順応標本を作製して、網膜および松果体の光受容細胞にみられる微細構造の日周変化を調べた。1.キンギョ網膜の光運動反応の観察には透過電顕および走査電顕を使用し、光周期に依存して生ずる視細胞の伸長および収縮とそれに伴う色素顆粒の拡散および凝集を二次元および三次元的に明かにした。2.キンギョの網膜の錐体小足に進入した水平細胞樹状突起先端の小棘は、明順応では錐体1個当り12個数えられ、暗順応では消失してほとんど見あたらなかった。したがって、夜間錐体の活動は休止状態にあり、昼間錐体の活動が盛んなときは、水平細胞との情報連絡が小棘の形成によって高められると推測される。3.アユの松果体光受容細胞の基底突起にみられるシナプスリボンの長さは、明順応で0.565±0.142μm(n:144)、暗順応では0.781±0.169μm(n:233)を示し、夜間には昼間の38%長いことが明かにされた。この差異はシナプスリボンがメラトニンの産生あるいは日周リズムの発現に何らかの役割を果たしていることを示唆している。4.明順応で抽出したキンギョの眼杯をDME培養液・cAMP添加液・メラトニン添加液にて2時間暗順応後に錐体ミヨイドの伸長を調べると、培養液のみではほとんど伸長しないが、cAMPあるいはメラトニン添加液では有意な伸長が認められ、錐体ミヨイドの伸長は網膜におけるcAMPおよびメラトニン量の夜間における増加と密接な関係があることがわかった。5.HRP法により、キンギョ松果体神経から手綱核・視床の背内側核・背外側核・間脳の脳室周囲灰白質・視蓋前野・中脳被蓋等への線維の走行がみられた。
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