研究課題/領域番号 |
63560208
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
緒方 武比古 北里大学, 水産学部, 助教授 (00104521)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 麻ひ性貝毒 / 渦鞭毛藻 / 麻ひ性貝毒産生菌 / 毒化機構 |
研究概要 |
麻ひ性貝毒(PSP)による貝類の毒化はある種の有毒渦鞭毛藻により起こることが知られている。しかし、最近Protogonyaulaxおよびそのシストが一度も発見されたことのない陸奥湾において二枚貝に微量ながらPSP成分の存在が確認されるなど、既知の有毒プランクトンとの関連が不明な貝類の毒化が明らかにされている、このことは既知有毒プランクトン以外の毒化原因生物が存在することを示唆する。一方、筆者らは最近P.tamarensis細胞より分離した細菌にPSP産生能を見出しているが、このことは本細菌によるプランクトンや貝類の毒化が起こり得る可能性を示している。本研究はこれらの点に着目して、まず淡水域の貝類にもPSPが存在するか否かを明らかにするため、琵琶湖の二枚貝について検討を加えた。その結果、神経芽細胞を用いる細胞培養法及びHPLC-蛍光分析により微量のPSP成分の存在を確認することができ、未知の毒化原因生物の存在がより明確になった。そこで、未知の原因生物を探る目的で既知有毒種以外の渦鞭毛藻の株について大量培養してPSP産生能を検索したところ、筆者らが継代培養していたGymnodinium nagasakiense,Flagilinium sp.、香港産Alexandrium sp.および岩手県沿岸、陸奥湾、沖縄の各海域より分離した10種25株の渦鞭毛藻株いずれにおいても毒性を認めることはできなかった。そこで、PSP産生細菌の分布を調べる目的でProtogonyaulaxが発生していない時期の大船渡湾および陸奥湾、琵琶湖の水を20、5.0、0.45μmのフィルターで順次ろ過して粒子を分画し、0.45〜5.0μmの粒子画分の毒性及び毒性分を分析してみた。その結果いずれの水域においてもこの画分に、それ以上の大きさの画分よりも多量のPSP成分の存在が確認された。本結果はPSP産生菌が広く分布し、貝類の毒化に関与している可能性を示した。
|