研究課題/領域番号 |
63560222
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
神尾 彪 (神尾 〓) 山形大学, 農学部, 教授 (00007072)
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研究分担者 |
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 助教授 (70007079)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ヨシ(アシ) / ヘドロ / 土の乾燥 / 干拓地 / ヨシの養分吸収能 / 土壌養分 / P,N,有機汚濁物質の浄化 / リビングフィルター / N、P、K、Naの浄化(脱窒、脱リン、脱カリ) / 浄化繊維 |
研究概要 |
ヨシ植生には、ヘドロ地盤の脱水・固化にかかわって、次のような特徴を有することが明らかとなった。(1)ヨシは蒸散能(吸水力)が強く、土壌水及び地下水を土壌内部から汲み出す作用を有している。(2)ヨシの地下茎は、経年的な地下水位の低下と共に、ヘドロ地盤の表層部から深層部に侵入する。そして、その侵入深度は地下1mを越える。(3)水平地下茎の下部から発生する根の直径は2mm〜6.5mmで、長さは約10〜100cmである。(4)垂直地下茎の節及び地上茎の基部から発生する根は分岐して密なル-トマットを形成する。(5)ヨシの地下茎は水みちをつくり、ヘドロ地盤の排水性を良好にする。(6)ヨシは耐湿性が強く、底湿地に群生し、純生産量が多い。(7)ヨシは地上部に対して、地下部〔地下茎(根)〕の割合が高い。しかも、これらの地下部はヘドロ地盤の支持力を高める。これらのヨシ植生の特徴をうまく利用することによって、ヘドロ地盤の表層部から深層部までを脱水固化させ、かつ土壌改良を促進することができる。とくに、(1)体比重は乾燥が進むにつれて、次第に不可逆的に増加するが、これに伴って保水量が減少する。(2)体比重が約0.35g/cm^3から約0.6g/cm^3の範囲では、体比重は自然含水量と指標硬度に対して、それぞれほぼ直線関係にある。(3)この直線関係はヨシ群落地と牧草地とではほぼ同じである。等が明らかとなった。 一方、ヨシ地上部のN,P及びKの含有量は7月上旬に最大となるから、この時期にヨシを収穫して、N,P及びKを系外に除去することができる。更に、ヨシ植生は土壌中の各種有機物を積極的に系外へ放出する作用を有し、そのため土壌中での有機態炭素のCO_2やCH_4への無機化反応を促進する。それゆえ、ヨシ植生は無機栄養物の浄化のみならず有機汚濁物質の土壌からの浄化にも貢献しているといえる。つまり、ヨシ植生は栄養塩類の吸収・溶脱、有害物質の除去、有機物の分解等に寄与している。
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