研究課題/領域番号 |
63560237
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業機械
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森 邦男 三重大学, 生物資源学部(農学部), 教授 (50024534)
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研究分担者 |
山下 光司 三重大学, 生物資源学部(農学部), 助手 (90158171)
市川 眞祐 三重大学, 生物資源学部(農学部), 教授 (40024559)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 籾 / ガス吸放出特性 / 発芽率の測定 / 呼吸 |
研究概要 |
水稲種子の発芽能力を推定する簡易な手法の開発を目的として、籾におけるガス交換に着目し、密閉下でのガス吸放出パターンと発芽率との関係について検討した。実験装置には試作定積吸着測定装置を利用した。試料容器内のガス組成変化はガスクロにて分析した。試料は生籾と長期貯蔵してあった発芽率0の古籾を精選して用い、発芽率・水分・初期ガス組成を変えて実験を行った。発芽率は両籾の混合比を変えた。水分は低温除湿乾燥と霧吹き加湿により調整した。調整後ポリ容器に密閉し5℃の冷蔵庫に貯蔵し、測定前日に室温(13〜15℃)に取り出し、定温(32.5℃)チャンバー内で測定した。実験により得られた結果は次の通りである。 (1)高水分籾では、大気充填密閉後の圧力は一旦上昇するが、2時間前後より逆に低下し、数〜数十時間後に再上昇するという特異な傾向を示す。 (2)高水分・高発芽率籾の方が圧力低下勾配は大きく、再上昇時刻は早い。水分20%db以下ではほとんどその傾向はみられなくなる。 (3)密閉直後の圧力上昇は籾温度の上昇と水蒸気放出による。 (4)充填後O_2ガス濃度は低下し、CO_2ガス濃度は増加する。初期O_2低下勾配はCO_2のそれよりも大きく圧力低下の主因となっている。さらにO_2濃度が3%前後で平衡となるもCO_2濃度は上昇し、圧力再上昇の主因となっている。 (5)圧力低下勾配(m_1)、再上昇開始時刻(T_P)、再上昇勾配(m_2)は温度・水分・発芽率の関数として表現可能であり、温度・水分を正確に固定すれば、m_1、T_P、m_2は発芽率のみの関数となる。したがって、m_1、T_P、m_2より逆に発芽率を推定できる。しかし、より一般的な推定を可能ならしめるには、試料の微生物汚染の度合によってガス吸放出パターンは大きく影響されると思われるため、初期微生物条件を一定にするための何んらかの殺菌前処理を施す必要がある。
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