研究課題/領域番号 |
63560256
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 仙吉 東京大学, 農学部, 助教授 (80114487)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | プロラクチン / プロラクチン受容体 / モノクローナル抗体 / 免疫組織化学的検出 / 標的器官 / ホルモンと受容体との結合反応 |
研究概要 |
ウサギ乳腺の膜成分に含まれるプロラクチン受容体を表面活性剤を用いて可溶化し、プロラクチン・アフィニティークロマトにより約200倍精製した。可溶化及び精製しても本来の性質を保っていた。これを抗原として常法によりモノクローナル抗体を作成し、三種類の抗体を得た。この抗体を用いて、プロラクチン受容体の構造を明らかにした。又、免疫組織化学の手法により組織内での分布を明らかにした。(1)、得られたモノクローナル抗体は、プロラクチンが結合する部位のみを認識していた。受容体を変性及び未変性の条件下で抗体と反応させ、受容体の種類と分子量を推定した。分子量約4万と8万の蛋白質と反応した。プロラクチンと受容体との複合体の分子量口、それぞれ約6.5万と11万であることから受容体一分子にプロラクチン一分子結合すること、独立した二種類の受容体が存在することが分かった。更に、反応速度論的に結合反応を調べて以下の事を明らかにした。プロラクチンと受容体との反応は、可逆性の二分子反応であり、特に水素結合と疎水結合も強く関与していた。分子の立体構造の維持には、電解質イオンが強く関与していた。分子量8万の受容体は、二価イオンが必須であった。以上得られた結果は、定性及び定量的解析、又、様々な分析手段を用いた解析結果とも良く一致していた。(2)、肝臓・副腎・卵巣の凍結切片を作成し、免疫組織化学的にプロラクチン受容体を検出した。その結果は、従来からプロラクチンの標的部位と考えられる部位にのみ陽性の反応が認められた。その他の部位とは反応しなかった。肝臓では一様に、副腎では皮質に、又、卵巣では黄体とその周囲に反応した。生理的意義には不明な点もあるが、精子の頭部に帯状に反応する部分があった。高プロラクチン血症は不妊の原因の一つと考えられていることから、プロラクチン受容体の関与が考えられた。
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