研究課題/領域番号 |
63560265
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 耕作 九州大学, 農学部, 助教授 (50038220)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 鶏卵巣の灌流 / 排卵 / カテコ-ルアミン / プロスタグランジン / インドメタシン / 卵胞の排卵 / カテコールアミン / テストステロン |
研究概要 |
白色レグホン系コマ-シャル産卵鶏の卵巣を、推定排卵時刻の16-18時間前に摘出し、体外で灌流した。灌流方法は、人工血益、ガス交換器、灌流液輸送ポンプ及び卵巣チャンバ-を主体とする複式循環灌流方式を用いて行なった。テスト物質は灌流液に添加し、排卵との関連を検討した。その結果は次の通りである。 1.テストステロン(200μg/l)を灌流液に添加した結果、最大卵胞の排卵率は83%で、プロジエステロンと同様の値が得られた。しかしテストステロンの場合は、このホルモンが卵巣内でプロジェステロンに変換され、排卵が誘起された可能性があり、今後研究が持たれる。 2.神経伝達物質であるエピネクリン及びノルエピネフリンは共に排卵誘起作用は高く、LH-FSHによるものと同様の効果が認められた。しかし、カテコ-ルアミンの生産阻害剤であるディベナミンは、LH-FSHの誘起排卵作用を一部阻害したにすぎなかった。したがって、これらカテコ-ルアミンは、鶏の排卵に対して直接的な作用はないものと推定された。また、添加量が生理的量をはるかに超過した時にのみ有効であったことは、上記の推論を支持するものである。 3.インドメタシン(20mg/l)を灌流液に入れ、30分後LH-FSHを添加したところ、排卵が誘起された。しかし、その値は低く、LH-FSH単独投与との間の5%レベルで有意差がみられた。 以上、本実験条件下においては、エピネフリン及びノルエピネフリンは鶏の卵巣に間接的に作用し排卵を誘起することが認められた。一方、プロスタグランジンF2α及びE_2も鶏の排卵誘起にある程度の効果を示したが、インドメタシンの投与効果が少ないことなどを総合すると、この物質も鶏の排卵に対しては直接的な作用はないものと推定される。しかしこれら活性物質と排卵との間の作用機序については不明である。
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