研究課題/領域番号 |
63560267
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦沢 幸二 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60128353)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 鶏 / 精子 / 運動性 / カルシウム / 精漿 / 卵管 |
研究概要 |
一般に哺乳類精子は温度の上昇に伴い、その運動は活発になる。これに対して、鶏精子は特異的で正常体温である40℃付近では運動を停止し、温度を下げると可逆的に運動を再開する。精漿中では、この現象は認められず、活発な運動を行う。したがって、精漿中には体温付近で鶏精子の運動を促進させる因子が存在し、自然交尾の際、精子の卵管内上昇に役立つものと考えられる。本研究では、この因子の存在を明らかにする目的で行った。結果は次のとおりである。 1.精子の運動は、TES/NaCl緩衝液中ではほとんど停止していた。これに対して、4℃、10万Gで30分間の遠心分離によって得られた精漿中では、無処理区及びDowex処理区とも、その濃度が高くなるにしたがって、精子の運動が活発になった。また、その値は無処理区の方が優れていた。一方、無処理区ではインキュベートして20分間は、精子の運動性がほぼ一定であったのに対し、Dowex処理区では時間の経過に伴い次第に低下した。 2.精漿のゲルろ過を行ったところ、無処理区では2か所の画分で運動性のピークが認められた。Ca^<2+>濃度を測定したところ、第2のピークとCa^<2+>濃度のピークが一致した。Dowex処理区では、精子の運動性が、分子量100〜200の第1のピークにのみ認められ、第2のピークは出現しなかった。 3.第1のピークの溶液を凍結融解、各種の有機溶媒処理及び100℃で5分間の加熱処理を施し、その後の精子の運動性に対する効果を検討したところ、この画分はメタノール可溶性であり、かつ熱安定性であった。 以上の結果から、精漿中には40℃で鶏精子の運動を促進させる因子が存在すること、この因子の1つはCa^<2+>であり、もう一方は分子量100〜200の熱安定性な低分子物質と推察された。
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