研究課題/領域番号 |
63560270
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
小島 洋一 京都府立大学, 農学部, 助教授 (80046490)
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研究分担者 |
牛田 一成 京都府立大学, 農学部, 助手 (50183017)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リグニン / 脱ニグニン飼料 / フェノールモノマー / ルーメン藻菌類 / ルーメン微生物 |
研究概要 |
1.めん羊をイナワラをND処理した飼料(ND飼料)、さらに脱リグニンした飼料(ホロセル飼料)で飼育し脱リグニン精製飼料を給与しためん羊の消化の様相を検討した。ND飼料のリグニン(LN)はルーメンで1/3が可溶化し、吸収代謝後尿中へ排出されると考えられた。この過程でルーメン内で遊離したLN構成オリゴマーがセルロース分解を化学的に阻害している可能性が示唆された。 2.リグニン由来フェニールモノマーの添加がルーメン微生物セルロース分解に及ぼす影響を検討した。その結果フェノールモノマー(PM)は、C_3側鎖の還元で最も低毒化することが知られた。分解開始の遅延があり、これはPMの代謝に要する時間と解釈できるが、PMの作用が静菌作用であるのか、セルラーゼ生産のリプレッサーであるのか不明であった。 3.リグニン由来PMの添加がルーメン微生物のVFA及びCH_4生成に及ぼす影響について検討した。その結果、デンプン基質の場合セルロース基質と比べ、原生動物に対するPMの作用が大きいことが示唆された。 4.ルーメン藻菌類は飼料中のリグニン化した部分にコロニーをつくることが報告されている。そこでPMを数段階の濃度で加え培養した結果、高濃度でも菌類の成長が認められた。このことは菌類のPMに対する抵抗性を示すものである。また、PMを菌類の選択培地に利用できることを示している。 5.ルーメン藻菌類の植物細胞壁分解活性について検討した。その結果、細胞と藻菌の間には繊毛虫と細胞の間でみられる相乗効果はなく、むしろ競合関係があると推測された。藻菌はまた、無処理基質とND処理残さにおいて同様なコロニーを形成したにもかかわらず、ND残さで分解が著しく低下していた。このことからND可溶性成分中に藻菌の繊維質分解酵素の生産を誘導する因子があることが示唆された。
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