研究課題/領域番号 |
63560271
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
仁木 良哉 北海道大学, 農学部, 教授 (90001437)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | レンネットゲル / 低カルシウム / リゾチーム / 低周波振動型ゲル強度計 / 低温処理 |
研究概要 |
レンネットゲルの性質は種々の因子によって影響を受ける。それらは原料乳の成分組成とその処理方法に大別される。本研究では成分の中でカードの性質に最も大きな影響を与えるとされているCa濃度の影響と最近のバルククーラーの普及に伴うチーズ原料乳の冷却の影響を調べた。実験を行うに当たり、その測定法に特に注意した。即ち、レンネットゲルは軟らかく、かつ脆いため、その力学物性の測定が難しい。そこで、本実験では非破壊の条件下でゲル強度を測定するため低周波振動型のゲル強度測定装置を用いて実験を行った。結果:牛乳より超遠心分離法によりカゼインミセルを分画し、人工乳清に両懸濁し、カゼインミセル液を調製した。その際、人工乳清中のCa量を変え、Ca含量の異なる試料を調製した。レンネットを加え、そのゲル強度を測定した(30℃)。その結果Caが減少すると、凝固開始時間は遅れ、ゲルの最大強度は小さくなる傾向がみられた。次に、低温処理の影響をみた。カゼインミセルを4℃に種々の時間保持した後、直ちに30℃にしたから、レンネットを加えてゲル化し、ゲル強度を測定した。15時以上の冷却ではゲルの軟化の傾向がみられた。特に、Ca濃度を正常の値(約30mM)以下にすると、低温保持の影響が著しくなることが認められた。このCaの減少が低温処理の影響を大きくすることに注目し、Ca含量の少ない試料にプラスの電荷を多く有し、レンネットゲルの強度を増すと考えられているリゾチームを加えるとゲル強度が再び増し、150〜200mg/100mlの添加でコントロール(Caが30mM)の値に回復した。この事はカチオンとしてのCaのゲル強度に及ぼす影響と同様な効果がリゾチーム添加によりもたらされたことを示唆している。測定法については、本研究に用いた低周波型のゲル強度測定装置がレンネットゲルやヨーグルトゲルの強度測定に有効であることが明らかとなった。
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