研究課題/領域番号 |
63560277
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
氷上 雄三 神戸大学, 農学部, 教授 (20031180)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 硫酸塩 / アミノ酸 / メチオニン / セリン / 尿酸 / グルタチオン / メチオニン活性化酵素 / GOT / セリンデヒドラターゼ / タウリン / キサンチンデヒドロゲナーゼ |
研究概要 |
市販育雛飼料の含硫アミノ酸(SAA)及びイオウ(S)含量を推定しヒナの成長を調べた結果、SAA及びSの比較的多い飼料に硫酸ナトリウム(Na_2SO_4)を添加すると、ヒナの増体は悪くなり(5%減)、これら成分の少ない飼料にNa_2SO_4を添加すると、体重が増加した(5%増)。次いで、硫酸塩とアミノ酸の栄養相互関係を調べるために、大豆蛋白を唯一の蛋白源とする半精製飼料を調整した。この飼料を低メチオニン飼料(LM)とし、これにDL-メチオニンを0.44%添加した飼料を高メチオニン飼料(HM)とした。この飼料にNa_2SO_4を添加、ヒナに給与して実験を行い、次の結果を得た。1.Na_2SO_4の添加により、血漿の尿酸は増加したが、尿中尿酸量には影響がなかった。2.Na_2SO_4は体内の遊離含硫アミノ酸濃度には影響しないが、タウリンなどの含硫化合物の体内合成に利用されることが推測された。3.Na_2SO_4により、グルタミン酸-オキザロ酢酸トランスアミナ-ゼ活性は1.3倍に上昇することが示された。4.Na_2SO_4の添加によって、血漿の遊離セリンが増加しているとき、腎におけるセリンデヒドラタ-ゼ(SDH)活性は低下することが示された。このことから、セリンの分解酵素であるSDHの活性が硫酸塩によって抑制され、またセリンはアミノ基転移反応を受け難いことも知られているので、その結果、血漿にセリンが蓄積するものと推測された。5.HM区及びLM区とともに、Na_2SO_4の添加により、肝グルタチオン量が増加する傾向が見られた。肝メチオニン活性化酵素の活性は、LM区で著しく低い活性であったが、Na_2SO_40.6%の添加によって約4倍に、Na_2SO_41.2%の添加によって、さらに約2倍に活性が上昇した。6.含硫アミノ酸の少ない飼料にNa_2SO_4を添加すると、Na_2SO_4はタウリンなど含硫アミノ酸以外の含硫化合物の合成に利用され、その結果、メチオニンのメチル基供与体としての機能が高まり、システインが供給されるものと推測された。
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