研究課題/領域番号 |
63560291
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植村 興 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40081591)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ウエルシュ菌エンテロトキシン / フローサイトメトリー / 結合フラグメント / FM3A / 作用機作 |
研究概要 |
1.ウエルシュ菌エンテロトキシン(ET)の精製。 既報の方法でETを100mg精製した。 2.ETに対するモノクローナル抗体(MCA)の調整。 前年までに得たハイブリドーマから、4種類のMCAを調整した。 3.Vero細胞を用いたフローサイトメトリー(FCM)によるET活性の測定法の開発。 ETを作用させたVero細胞をfluorescein diacetateとpropidium iodideで二重染色後、FCMで解析することによる、ET活性の測定法を開発した。同法は、従来の、色素を取り込んだVero細胞を光学顕微鏡下で肉眼でカウントする方法に比べて測定時間、測定精度、手間等において格段に優れていた。 4.FCMによるET活性の測定に用いる浮遊状細胞の検索。 3.で開発した方法の欠点は、Vero細胞を調整する際にtrypsin処理を要することである。trypsin処理は細胞のレセプター及びETの構造あるいは活性に影響を与えることが知られているので、ET活性の精密な解析にはtrypsinの使用は避けたい。そこでtrypsin処理の不要な浮遊状培養細胞を探索した。維持の容易な5種類の浮遊状培養細胞を検討した結果、唯一FM3AがVero細胞に匹敵する感度を有し、Vero細胞に代わり得る細胞であることを明らかにした。 5.ETの分子構造と生物活性に関する仮説の提示。 既報及び1〜4を適用した実験の結果をまとめ、ETは、分子量1万5千のC末ドメインがET表面の大部分を占め、この部分で標的細胞へ結合することを図を用いて提示した。なお、分子量2万のN末のドメインの作用上の役割りを明らかにすることはできなかった。N末ドメインの作用機作の解析が今後の課題として残された。
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