研究課題/領域番号 |
63560292
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
大石 巌 (大石 巖) 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50081592)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ボツリヌス毒素 / ボツリヌスC_2毒素 / 非筋細胞アクチン / ADPリボシル化 / 培養細胞 / 細胞骨格 / C_2毒素 / アクチン |
研究概要 |
ボツリヌスC_2毒素は、共有・非共有のいずれの結合も持たない2種類のタンパク成分(component I,component II)より構成されている。component Iは酵素活性を、component IIは細胞膜への結合活性をもつことをこれまでに明らかにしてきた。本研究では、C_2毒素の細胞内標的分子が細胞骨格の主要成分であるアクチンであること、component IのもつADP-ribosyltransferase活性によって修飾されたアクチンの性状変化を明らかにすることによって、細菌毒素ではこれまでにみられなかった極めてユニ-クなC_2毒素の活性発現機構の詳細を解明することを目的とした。その結果以下のような事が明かとなった。 ボツリヌスC_2毒素の2成分を精製し、トリプシンにより活性化後培養細胞と反応させると細胞種によって反応毒素量に多少の違いはあるが、細胞形態の著しい変化がみられた。一方、毒素を細胞に作用させ細胞内アクチンのADPーリボシル化を、オ-トラジオグラフイ-によって検討したところ細胞の形態変化とアクチンのADPーリボシル化とが並行した。さらに、in vitroで精製非筋細胞アクチンをcomponent IによってADPーリボシル化後その性状を検討したところ、アクチン1モル当り1モルのADPーリボ-ス残基の結合がみられた。ADPーリボシル化されたアクチンは、モノマ-からポリマ-への変換能を完全に消失することがわかった。細胞の形態変化に伴ってストレスファイバ-の切断がみられた。このような結果は、毒素によるアクチンの化学的修飾によって細胞骨格の破壊が起こることが、C_2毒素による致死の原因であることを示している。
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