研究課題/領域番号 |
63560293
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
津山 伸吾 大阪府立大学, 農学部, 講師 (00094508)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | mono ADP-ribosyl化アクチン / アクチン重合位置 / mono ADP-ribosyltransferase |
研究概要 |
豚脳から精製したβ/γーアクチン単量体をAcceptorタンパク質とし、ボツリナムC_2毒素によりmono ADP-riboseを結合させると、修飾前にはMg^<++>添加で重合したアクチンが重合しなくなることを、アクチン重合に伴う粘度の上昇が起こらないことで確認した。このmono ADP-ribosyl化アクチンをタンパク分解酵素で切断し、ADP-riboseを結合したペプチドを高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーで精製し、得られたADP-ribose結合ペプチドのアミノ酸分析の結果、アクチンのアミノ基末端から18番目のリジン残基に結合していることが判明した。この結果は、Aktorieらがアクチン安定化因子であるCa^<++>をキレートしたアクチンをAcceptorとした結果と異なっていた。この差異はCa^<++>を除いたアクチンは、その立体構造が変化し、既にアクチン重合能を失ない、mono ADP-ribose結合位置が変化して起こったと考えている。 生体内でのアクチンのmono ADP-ribosyl化機構を検索する為に、ラット脳を材料に非筋細胞アクチン単量体をAceeptorとするmono ADP-ribosyltransteraseを精製した結果、Lysophosphatidylcholineで活性上昇と、逆に阻害される分子量の異なるisozymeを見出すことが出来た。生体内の本酵素は、他臓器にも分布していたが、特に脳内での活性は約10倍以上強く、β/γーアクチンを強くmono ADP-ribosyl化する酵素は、GTP結合Goタンパクをもmono ADP-ribosyl化した。さらに、非筋細胞アクチンの50%が重合しないで存在することが知られているので、高速液体クロマトグラフィーで、非筋細胞内に存在すると考えられるmono ADP-ribosyl化アクチンを分離定量を試みた結果、豚脳内の非筋細胞(神経細胞)では、重合に寄与しなかったアクチン単量体のうち40%程がmono ADP-ribosyl化されていることが判った。
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