研究課題/領域番号 |
63570023
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
三好 萬佐行 福岡大学, 医学部, 教授 (80077536)
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研究分担者 |
小柳 緑 福岡大学, 医学部, 助手 (20153687)
西園 久徳 福岡大学, 医学部, 助手 (70208180)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 白脾髄 / リンパ管 / リンパ細網関門 / 微細構造 |
研究概要 |
ヒトおよび哺乳動物の白脾髄リンパ球の動員に係わるリンパ管の存否とその微細構造を明らかにする目的から本研究を行った。さらに、リンパ球の解離の経路となるリンパ細網関門の微細構造およびリンパ小節に伴う上皮やリンパ管壁の構造について観察し、以下の結果を得た。 1.白脾髄のリンパ管 (1)ヒトおよびサル白脾髄では脾髄動脈に沿って、明瞭な内皮に画されて細隙状の断面を示すリンパ管の存在を確認した。内皮細胞は扁平や細胞質層をもち、隣接の細胞とは連結構造で連続し、開放した細胞間隙や細胞質の孔は見られなかった。しかし、細胞質を貫通してリンパ球や大食細胞の突起が認められた。細隙状管腔の動脈側のリンパ管内皮細胞は緻密な配列の間質細胞や結合組織線維層に密着するが、細網組織側の内皮細胞は基底膜を伴わず、細網細胞の突起が固着していた。従って、内皮細胞の細胞質層のみがリンパ細網関門を形成し、リンパ球の解離はこの細胞質層を貫通するリンパ球の移動によるものと結論される。 (2)ラット白脾髄では脾髄動脈に沿ってだけでなく、リンパ小節の辺縁帯に沿って広がる細隙状管腔をもつリンパ管があった。 2.腸管付随リンパ小節 (1)ヒト虫垂リンパ小節を伴うリンパ洞の壁には弾性線維と豊富な神経線維を伴う平滑筋が発達していた。杯状リンパ洞の小節側では洞内皮の直下に平滑筋細胞が散在して分布し、結合組織側では細胞が束になって発達していた。リンパ球の解離や洞壁の運動に関与するものと判断される。 (2)ウサギ虫垂リンパ小節に接する腸上皮の小窩を画する粘膜ヒダ上皮内に、細網線維束が出現することを見出した。この突起は微細構造的に基底膜の突起であると結論した。粘膜ヒダ上皮の基底側は迷路状の細胞間隙を容れていて、組織液(リンパ)を含んでいる。この組織液の代謝に基底膜突起は機能を果たすものと思われる。
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