研究課題/領域番号 |
63570039
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前田 信治 愛媛大学, 医学部, 教授 (50036464)
|
研究分担者 |
泉田 洋司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50212957)
清家 雅彦 愛媛大学, 医学部, 助手 (60136322)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 赤血球 / 赤血球粘着性 / 赤血球凝集 / 加令 / グリコフォリン / 赤血球膜タンパク / フィブリノ-ゲン / 組換え体エリスロポエチン / 細胞電気泳動 / フィブリノーゲン |
研究概要 |
本研究は赤血球の老化にともなう赤血球同士の粘着性の変化から、老化赤血球の生体での処理機構の一面を明らかにすることを目的とした。老化赤血球の粘着性を、(1)赤血球集合形成と形成された集合の解離、ならびに(2)アルキル化ガラス板上に作成した再構築赤血球膜に対する赤血球の粘着性(相互作用)、から検討した。 1.Percollを用いて密度勾配遠心法によって分画されたヒト老化赤血球は若い赤血球に比べて粘着性は増していた。このことは老化赤血球においては(1)赤血球集合体形成基度が大きく、解離しにくいこと、(2)赤血球再構築膜に対する相互作用(粘着性)の強いこと、から明らかであった。 2.正常ラット産生される赤血球の集合体形成は組換え体ヒトエリスロボエチン役与による骨髄刺激によって急性に産生される(正常状態で作られる赤血球に比べて若い)赤血球の集合体形成に比べて促進していた。 3.赤血球膜表面タンパクの構造が赤血球集合ならびに粘着性に対して重要であることが酵素列理赤血球を用いて示された。赤血球表面糖タンパクのシアル算は赤血球間に静電反発力を生み出し、赤血球集合を抑制する上で重要であるが、これに加えて特に、glycophrionAの構造変化が赤血球集合および赤血球の粘着性の調節に重要な役割を果たしていると思われた。すなわち、赤血球をタンパク分解酵素で列理すると著しく集合体形成が増した。この現象は赤血球の表面陰性電荷の変化では説明できなかった。 本研究から、赤血球が生体内で老化すると赤血球表面の構造、特に糖タンパクの構造変化が起こり、赤血球同士、おそらく他の細胞とも粘着性が増すことが明らかにされた。このことは老化赤血球においては変形態の低下と相まって細網内皮系におけるマクロファ-ジによる列理機期と密接に関係していると思われる。
|