研究課題/領域番号 |
63570043
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
久木田 文夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40113427)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | イカ巨大神経線維 / シュワン細胞 / Kイオンの動態 / イオンチャネル / Kイオンの蓄積 |
研究概要 |
ヤリイカ巨大神経線維のシュワン細胞は軸索を取り囲むことにより、軸索外表面のKイオン濃度を調整している。本研究ではKイオン濃度の動的変化が軸索膜イオンチャネルに与える影響を調べることを目的としている。従来、予備的に明らかにしてきた実験事実を再確認するとともに、より定量的な解析を行う必要があった。従って本研究の成果は実験装置に関する部分と神経線維の用いた実験の二つに分けられる。 実験装置に関しては 1.膜電位固定法の回路及び電極系を高速化するとともに、シュワン細胞層の抵抗(直列抵抗)による誤差を最小限にした。 2.データ取り込み装置を従来の専用A/D変換器をもつミニコンのシステムから、DMA転送可能なデジタイザーとパソコンのシステムに変更し、信頼性及び解析速度を大巾に向上させた。 3.神経線維に与える刺激はボードコンピュータで発生させ、パソコンで制御した。 4.システムは全て国産の比較的安価な機器の組合せから成り立っており、臨界実験所への出張実験に不可欠な小型軽量化・保守の単純化に成功した。 神経線維を用いた実験は実質的には本年1月より始まり、現在も進行中であるが、次の点が明らかになった。 1.軸索外表面のKイオン濃度の動的な変化は細胞内外に与えられる浸透圧勾配の大きさと向きにより、自由に制御できる。(Kイオン蓄積の制御) 2.Kイオン蓄積の増大により、K電流は減少し、Kチャネルの閉じる過程の時間経過は著しく遅くなり,開く過程はやや遅くなる。 3.イオンの電流の時間経過はイオンチャネル分子の開閉の時間経過とイオンのチャネル細孔内部や表面での再分配により決定される。 4.シュワン細胞はイオン環境を変化させ、イオンチャネルの動的特性に影響を与える。
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