研究課題/領域番号 |
63570046
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鈴木 寿夫 弘前大学, 医学部, 教授 (00003351)
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研究分担者 |
澤井 元 弘前大学, 医学部, 助手 (20202103)
小高 泰 弘前大学, 医学部, 助手 (10205411)
東 正夫 弘前大学, 医学部, 助教授 (60003563)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 前頭眼野 / サッケ-ド眼球運動 / 皮質内微小電気刺激 / エルジロイ電極 / サッケード眼球運動 |
研究概要 |
サルの大脳皮質前頭葉には弓形の深さ5-7mmに達する溝(弓状溝)がある。この溝に沿った直前の皮質領域は、電気刺激によって刺激半球側と反対に向かうサッケ-ド眼球運動が生じる事から、前頭眼野と呼ばれて来た。最近、前頭眼野は弓状溝の前壁深部に広がっている事がわかって来た。本研究の目的は、弓状溝前壁深部も含め、前頭眼野の1.正確な範囲、2.各部位で誘発されるサッケ-ドを明らかにする事であった。その為に、無麻酔覚醒下の日本ザル(5頭)を用い、頭を動かない様に固定し、弓状溝前壁皮質にエルジロイ微小電極を種々の角度から刺入し、0.5mm進める毎に皮質内微小電気刺激(幅1ms、振幅70μA以下、間隔5msの負の10発矩形液電流)し、サッケ-ドを生じさせた。眼の動きの記録には、我々が開発した角膜反射像を利用した装置を用いた。刺激部位を同定する為に電極先端を電気分解し、組織に沈着させ、後に沈着物の発色処置を行い刺激部位を組織学的に再構築した。本研究によって以下の事が明らかになった。 1.前頭眼野は主溝後端から弓状溝最深部まで吻尾側に広がり、主溝後端の2-3mm内側から後端の5-8mm外側まで広がっていた。 2.皮質表面に対し垂直に深さを変えると、どの深さでもほぼ同方向・同振幅のサッケ-ドが誘発された。 3.一般に、皮質上の部位が異なると生じるサッケ-ドも異なった。サッケ-ドの振幅は30度以下で、方向は反対側視野の上から下まであった。 4.サッケ-ドの振幅は前頭眼野の内側部で小さく、外側部で大となった。サッケ-ドの方向は前頭眼野の吻側から尾側に行くに従って変化した。しばしば同じ方向が離れた場所で2度再現されていた。この為、前頭眼野内のかなり離れた部位で同様のサッケ-ドが生じることがあった。以上の結果に基づき、前頭眼野がサッケ-ドに果たす役割を考察した。
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