研究課題/領域番号 |
63570053
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
副田 正治 (福田 正治) 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60126547)
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研究分担者 |
中村 清実 (中村 清美) 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20143860)
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 被殻 / ニュ-ロン活動 / 摂食行動 / 視覚情報処理 / 運動制御 / 手順記憶 / サル / オペラント行動制御装置 / 遅延対刺激対比テスト / 線条体 / ニューロン活動 |
研究概要 |
最近、大脳基底核の線条体は、運動の方向や速度といった単純な運動の制御だけでなく、認知や記憶に関係したより高度なシステムの一部であることが示唆されている。すなわち、線条体は、大脳皮質の種々の感覚連合野から統合された感覚情報を受け、その情報に基づきある特定の一連の運動(反応)を遂行する感覚刺激一反応の連合に関与すると考えられる。本研究では、オペラント行動下サルの被殻から単一ニュ-ロン活動を記録し、レバ-押しオペラント摂食行動に対するニュ-ロン応答様式を調べた。総数615個のニュ-ロン活動を記録した。被殻には、1)食物を見たときに応答するニュ-ロンが存在し、2)これらニュ-ロンの応答は食物の種類や学習課題によって強弱がある。3)外界の視覚情報と連合して運動制御に関係するニュ-ロンの存在することなどを明らかにした。これらの結果は、被殻が単に運動の方向性や負荷などの物理的パラメ-タの制御に関連しているという従来の見方に対し、感覚刺激の意味やどのような運動がどのような状況で起こったかという状況の情報処理に関与しているという新しい解釈を示唆している。解剖学的には扁桃体や運動前野からの線維投射が存在することが知られている。今後は、辺縁系一大脳基底核および前頭葉系一大脳基底核といったシステムの中での被殻をとらえる必要があることを、この研究を通じて痛感した。
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