研究課題/領域番号 |
63570054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
根岸 晃六 金沢大学, 医学部, 教授 (00019572)
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研究分担者 |
菅原 清 金沢大学, 医学部, 助手 (60019586)
加藤 聖 金沢大学, 医学部, 助教授 (10019614)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 魚類網膜 / 水平細胞 / スペクトル光応答 / 明暗順応 / ドーパミン / ドーパミン細胞 / Cキナーゼ免疫反応 / ルシファ黄細胞内注入マーキング |
研究概要 |
網膜電気現象の明暗順応に関する生理学的研究は古くて新しい課題であるが、これまで魚類網膜の水平細胞レベルでは明暗順応に伴う光応答電位の変化は無いと考えられてきた。本研究では改めて、魚類網膜の剥離標本を用いて、同課題に取り組み、次の所見を得た。 1.水平網膜のスペクトル応答(S)電位のλmax(最大振幅を示す波長)は、暗より明調状態に移すと、ルミノシティー(L)型反応はプルキニエ・シフト様変化(λmaxが550より605nmに移る)を示す。またクロマティシティー(C)型反応が明調時に出現してくる(波長辨別能がよくなる)。ドーパミン投与はそのようなスペクトル応答電位のλmaxの変化を生起しなかった(文献#2、3) 2.充分に暗または明順応した鯉から剥離した網膜において、水平細胞レベルにおけるS電位側波及とルシファ黄色素拡散の程度には有意な差を見出し得なかった。ドーパミン投与は両現象を著しく阻害した(#3、4) 3.従って、明暗の順応を反映する現象のうちで、ドーパミンは水平細胞間のギャップ結合の開閉に関与しているが、スペクトル応答発生機序には大きな役割を演じていないと考えられる(#3)。 4.しかし、Cキナーゼの免疫性反応が魚類を含む数種の脊椎動物網膜のドーパミン(チロジン・ヒドラキシラーゼ陽性)細胞と、桿体系双極細胞に見出された(#1、6)ので、暗調時における連関した役割を両者が演じているのかも知れない。今後の検討に値する。 5.派生した課題として、ルシファ黄細胞内マーキング法により、間質性アマクリン細胞の樹状突起形態を初めて明白にし得た(#5)。今後、この細胞種に内在する活性物質を探りたい。
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