研究課題/領域番号 |
63570084
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
野本 茂樹 (財)東京都老人総合研究所, 中枢神経部門, 研究員 (70125235)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ふるえ / 運動 / WGAーHRP / WGA / 神経細胞間輸送 / 介在ニュ-ロン / 鳥類 / ucleus reticularis parvocellularis / 胸筋 / Nucleus reticularis parvocellularis / 一次求心性線維 / 誘発電位 / 背髄 / 運動ニューロン / WGA-HRP / transneuronal transport |
研究概要 |
脊髄冷却によってハトの胸筋に引き起こされたふるえは、運動を開始すると反射的に抑制される。この抑制は下肢筋肉の電気刺激によっても引き起こされる。これまでの実験から下肢筋肉の一次求心性線維は第3胸随から第4腰髄にわたって終末し、胸筋運動ニュ-ロンは第12〜14頚髄に局在していることが分かっている。すなわち両者は空間的に全く重なり合っておらず、したがって両者間には未知のニュ-ロン(介在ニュ-ロン)が存在してと考えられる。本研究ではこの未知のニュ-ロンを組織学的に検索し、そのニュ-ロンの胸筋ふるえに対する役割を明らかにしようとするものである。胸筋に終末するニュ-ロンをWGAーHRPおよびWGAがもつ神経細胞間輸送とよばれる性質を利用して検索した結果、網様体外側部の小細胞網様体(Rpc)に胸筋運動ニュ-ロンに終末していると考えられるニュ-ロンが見つかった。そこでRpcを電気刺激してRpcの胸筋ふるえに対する役割を調べた。その結果、Rpcへの刺激強度が弱い場合、潜時約50msecで若干の胸筋ふるえの促進が見られたが、刺激強度が強い場合、潜時10msec以下でふるえの抑制が見られた。Rpcが位置する網様体外側部には種々の網様体脊髄路細胞や通過線維が存在するためRpcニュ-ロンの胸筋ふるえに対する役割を正確に特定することは因難であったが、これまでの実験で下肢筋肉を電気刺激して起こる胸筋ふるえの抑制潜時が15msec以下であったことから、胸筋のふるえの抑制にRpcニュ-ロンが関与していることが示唆された。しかし脊髄バトでも下肢筋肉の電気刺激で胸筋ふるえの抑制が起こることから脊髄内にも抑制性ニュ-ロンが存在していることが示唆されているが、本研究では脊髄内に陽性ニュ-ロが検出されなかった。なお下肢筋肉電気刺激によって生じた一次求心性入力は筋紡錘の一次終末で発生し、II群線維によって主に第4腰髄の第IV〜第V層に送り込まれていることも示唆された。
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