研究課題/領域番号 |
63570086
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
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研究分担者 |
吉田 真 東北大学, 薬学部, 文部技官 (90201011)
比佐 博彰 東北大学, 薬学部, 助手 (60192712)
草場 美津江 東北大学, 薬学 部, 助手 (50175311)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルシウム拮抗薬 / ニフェジピン / アンジオテンシンII / 血管収縮反応 / ノルエピネフリン |
研究概要 |
本研究は抗高血圧薬としての有用性が注目されているカルシウム拮抗薬 の抗高血圧作用機序を、血管平滑筋における細胞外カルシウムの細胞内移動に最も大 きな要因となる生体内昇圧因子への影響の解析によって検討し、下記の結果を得た。 1.脊髄穿刺ラットにおいて、〓アンジオテンシンII (A II) による昇圧 反応は、カルシウム拮抗薬ニフェジピン〓並びにCD-349 (CD) で抑制され、 カルシウムチャンネル刺激薬Bay K8644 (Bay K) で増強された。また CDによる抑制はBay Kで拮抗された。〓バソプレシン (VP) による昇圧反応 は、Nで影響されず、CDで抑制され、Bay Kで増強された。またCDによるV Pの昇圧反応の抑制はBay Kで拮抗された。〓脊髄電気刺激による内因性ノルエ ピネフリン (NE) の昇圧反応は、N及びCDで抑制され、Bay Kで拮抗された 。〓NEによる昇圧反応は、Nで抑制されず、CDでは抑制された。またこの抑制は 、Bay Kで拮抗された。 2.無麻酔の高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラットにおいて、N、CDの経 口投与により降圧が観察され、CDの方が持続的であった。 3.麻酔イヌにおいて、腎動脈内投与したAIIの腎血流量減少反応の、腎動脈 内投与したCDによる抑制は、腎動脈内投与したNE及び腎交感神経刺激により生じ た腎血流量減少反応に対するCDのそれより大きかった。また、Bay KはAII の腎血流量減少反応を増強し、CDによるAIIの反応の抑制に拮抗した。上記の腎 血流量減少反応は、細胞内カルシウム遊離阻害薬TMB-8でも同様の抑制が観察さ れた。 以上の結果より、AII、NEの血管収縮反応にはカルシウムチャンネルを介す るカルシウム流入が関与していること、従ってカルシウム拮抗薬の抗高血圧作用には 、内因性AII、NEの受容体を介する血管収縮反応の抑制が関わっていることが示 唆された。
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