研究課題/領域番号 |
63570087
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村山 智 千葉大学, 医学部薬理学講座, 教授 (40009098)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ニュ-キノロン / 痙攣 / 薬物併用 / 非テスロイド系抗炎症薬 / 非ステロイド系抗炎症薬 / 側脳室 / 脊髄反射活動電位 / ニューキノロン |
研究概要 |
最近、ニュ-キノロンの一つであるエノキサシンと抗炎症薬であるフェンブフェンを同時に経口投与した数人の患者に痙攣がみられたとの報告があった。この研究は、エノキサシン(ENX)、ノルフロキサシン(NFLX)、オフロキサシン(OFL)、ロメフロキサシン(LFLX:NY-198)その他のニュ-キノロンの中枢作用を調べるため、いろいろの実験動物を用いておこなった。ENX、NFLX、あるいはOFL等を単独でて用いても、問題になるような中枢作用はみられなかった。しかしながら、非ステロイド系抗炎症薬であるフェンブフェンと、これらニュ-キノロンを一緒に用いると、典型的な脳波を伴ったてんかん様痙攣が生じた。この痙攣はマウス、ラット、ウサギ、ネコさらにはカエルにまで起こった。しかもこの痙攣はいろいろな投与方法、即ちp.o.(経口投与)、i.v.(静脈注射)、i.m.(筋肉内注射)、i.p.(腹腔内注射)等によって引き起こされた。残念なことに、今までのところではこの痙攣に拮抗する薬物はみつかっていない、しかしジアゼパムや幾つかのベンゾジアゼピン誘導体はこの痙攣を、ごく短い間ではあるが抑制した。非ステロイトド系抗炎症薬の中でもフェンブフェンが一番作用が強いが、多くの研究者によりflurbiprofen、naproxen、phenoprofen Ca、pranoprofen等もまたニュ-キノロンとの併用で痙攣を誘発することが報告されている。Winands et al.(1984)は、エノキサシンはテオフィリンの血漿中の濃度を上昇させることを報告しているが、現在のところこの現象は他のニュ-キノロンではみられない。 以上のことにより、この痙攣は極めて強く危険であり、有効で適切な拮抗薬がみつかっていないことから、ニュ-キノロンと非ステロイド系抗炎症薬との併用は処方すべきではないと考えられる。
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