研究課題/領域番号 |
63570092
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笹 征史 京都大学, 医学部, 助教授 (20025654)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 青斑核 / ノルアドレナリン / 仙髄排尿中枢 / α_1受容体 / 膀胱 / プラゾシン |
研究概要 |
青斑核を電気刺激した場合に、膀胱の収縮がおこり、この収縮は仙髄領域に直接投与したα_1遮断薬により抑制されることから、青斑核に由来するノルアドレナリンが仙髄膀胱中枢ニューロンを興奮させる結果と考えられ、このことを明らかにする目的で電気生理学的および組織学的研究を行った。1.電気生理学的研究:クロラロース麻酔ネコを用い、仙髄膀胱中枢ニューロン活動を7極微小ガラス管をはり合わせた銀製微小電極を用いて細胞外に記録した。7極微小ガラス管にはα_1(プラゾシン)およびβ(ソタロール)遮断薬などを充填し、これらを記録ニューロン近傍に微小電気泳動法により投与した。青斑核に刺激電極を刺入し、膀胱内圧を測定し、膀胱が最大の収縮をおこす時の電圧を用いて青斑核を刺激し、また逆行性に骨盤神経を刺激した。青斑核を刺激した時、仙髄膀胱中枢ニューロンより長潜時(30〜50ミリ秒)のスパイク発射がえられた。このスパイクは20ヘルツ以上の高頻度刺激に応じず、プラゾシンより抑制され、ソタロールによっては抑制されなかった。また、このようなニューロンは骨盤神経の逆行性刺激には応じなかった。一方、骨盤神経の逆行性刺激によりスパイクを発射するニューロンの中には青斑核刺激によって潜時が動揺するスパイク発射がえられるニューロンがあったが、これらはプラゾシンにより抑制されなかった。2.HRPによる組織学的研究:ペントバルビタール麻酔下で、仙髄膀胱中枢へ微小電気泳動的にHRPを投与し、2〜3日後に、検索したところ、青斑核領域にHRP反応細胞がえられた。以上の結果より、青斑核由来ノルアドレナリンは仙髄膀胱中枢ニューロンをα_1受容体を介して興奮させ、さらにこの核内の介在ニューロンを介して骨盤神経を興奮させ、膀胱を収縮すると結論された。
|