研究課題/領域番号 |
63570104
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
稲垣 千代子 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60025640)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 塩素イオン / Cl^- / ATP / 膜輸送 / ミクロソーム / 脳 / 神経細胞 |
研究概要 |
我々はこれまでに、中枢神経細胞膜に局在するCl^--ATPaseがCl^-を輸送する可能性のあることを報告してきた。本研究では、上記酵素活性の高い脳ミクロソームで、ATP依存性にCl^-が輸送されることを証明した。脳ミクロソームは、ラット全脳からEDTA処理法により調製し、Cl^-取り込みは^<36>Cl^-を用いてミリポアフィルター法により測定した。ATPは用量依存的に脳ミクロソームへのCl^-取り込みを増加させ、取り込み速度はATP濃度3mM以上で最大となった。このATP依存性Cl^-取り込みは、インクベーション時間と共に増加し、反応開始後2分でプラトー値に達した。ATP非依存性Cl^-取り込みは、反応液pHの上昇(pH6.2→9.0)に伴いやゝ減少するのに対し、ATP依存性Cl^ー取り込みは反応液pH7.4で最大値を示した。非加水分解性ATP類縁体であるβ,γ-メチレンATPは、ミクロソームへのCl^-取り込みを増加させなかった。一方、ATP依存性Cl^-取り込みは、40mMNa^+、K^+またはHCO_3^-により影響を受けなかった。また、ATP依存性H^+輸送を阻害するDCCD(1mM)およびアミロイド類縁体(100μM)は、ATP依存性Cl^-取り込みに影響を与えなかった。 これらの結果から、脳ミクロソームにATP加水分解を伴うCl^-輸送機構が存在すること、および、このATP依存性Cl^-輸送がNa^+またはK^+との共輸送やHCO_3^-との交換輸送によるものでなく、ATP依存性H^+輸送に伴うものでもないことが明らかになった。今後、このATP依存性Cl^-取り込みとCl^--ATPaseとの関係を明らかにするための実験を行う予定である。
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