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鉄化合物による腎毒性、腎発癌に関する研究ーフリーラジカル誘発細胞傷害のモデル

研究課題

研究課題/領域番号 63570160
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関京都大学

研究代表者

岡田 茂  京都大学, 医学部, 講師 (20033201)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード脂質過酸化 / 活性酸素 / 鉄 / 銅 / NTA / 腎障害 / 腎臓癌 / ウィルソン病
研究概要

活性酸素による生体障害が多くの病気の病因として取り上げられている。私達は活性酸素産生の触媒となる物質である鉄、銅などの遷移金属について研究を行っている。特に鉄ニトリロ三酢酸(FeーNTA)はラット、マウス腹腔内投与にて腎の脂質過酸化を亢進し腎尿細管壊死をきたす。長期投与にて腎腺癌を誘起することを私達は見出している。本年度の成果は、
1.鉄(II)ーNTAは急速に自動酸化し鉄(III)ーNTAとなる。その際にリノール酸ミセル、肝ミクロソーム、リポソームの脂質過酸化を誘起する。鉄(III)ーNTAにアスコルビン酸を加えると鉄は還元され鉄(II)となり上述のサイクルを繰り返す。他のキレート剤(デスフェラール、EDTA、ADP)ではこの様なサイクルを繰り返すことなく、どこかの段階で中断する。
2.鉄ーNTAによる腎病変に脂質過酸化が関与しており、性差がみられる。この脂質過酸化のみられる部位を冷シッフ試薬にて染色した。シッフ試薬はアルデヒドと反応し脂質過酸化を起こした部位のみ紫色に染め出す。この方法により雄マウスは腎皮質の近位尿細管が、雌マウスでは髄質外帯が特異的に脂質過酸化を起こすことを見いだした。この結果は性ホルモン依存性であり、睾丸摘出、卵巣摘出あるいは性ホルモン投与にて染色部位の強さが変換する。
3.鉄ーNTAを飲料水中に混入して動物に投与した場合には腎障害は見られない。臭素酸カリウムは飲料水投与にて腎病変が顕著に見られた。鉄ーNTAは吸収される時に鉄部分がトランスフェリンに受け渡されるためであろうと推論された。
4.活性酸素を生ずる遷移金属である銅については、銅ーNTAを長期間ラットに投与することにより、ラット肝に肝硬変を生ずることを見いだした。銅による肝硬変の作製は世界で初めての成果であり、ウィルソン病のモデルになり得るものと考える。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Hamazaki: Toxicol.Appl.Pharmacol.92. 500-506 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] J-L.Li: Biochim.Biophys.Acta. 963. 82-87 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] S.Toyokuni: Amer.J.Pathol.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] S.Hamazaki: Arch.Biochem.Biophys.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] S.Okada: Brit.J.Cancer.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 中野勝輝: 内科宝函.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2021-09-24  

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