研究課題/領域番号 |
63570165
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
奈良 安雄 島根医科大学, 医学部, 助手 (80116417)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | アストログリア / 脳卒中易発症ラット / 高血圧 / アストログリア細胞 / 増殖能 / 脳卒中難発症ラット |
研究概要 |
脳卒中易発症ラット(SHRSP)、脳卒中難発症ラット(SHRSR)、正常血圧ラット(WKY)の胎児全脳からアストログリアを分離培養した。SHRSPおよびSHRSR由来アストログリアはWKYにくらべ増殖能が有意に亢進していた。細胞は第1間期(G_1)合成期(S)第2間期(G_2)分裂期(M)を経て2つに分裂するが、3群ともに(G_1)期は9-12時間であり、G_1期からS期への移行速度がSHRSPやSHRSRで亢進していることが明らかになった。同様の結果が胸部大動脈由来平滑筋細胞でも認められている。また、核当りのコレステロ-ル量を3群で比較したところ、コレストロ-ル量がSHRSP、SHRSRで有意に低下していた。最近の我々の研究からSHRの肝臓でのコレステロ-ル合成能の低下はその合成の律速酵素である。 HMGCoA還元酵素の活性低下ではなく、それ以後の酵素活性低下に依存することが明らかになった。よって、[^<14>C]酢酸および[^<14>C]メバロン酸を用いてコレステロ-ル合成能を比較したところ、メバロン酸からのコレステロ-ル合成は3群間に差異はなかったが、酢酸からのコレステロ-ル合成はSHR群で低下していた。よって、アステログリアと肝臓でのコレステロ-ルの合成調節は異なっていると考えられる。一方、アストログリアにはα受容体が存在し、その受容体を刺激することによって細胞内Ca^<++>が上昇することが知られている。フェニレフィリンで細胞を刺激したところ、細胞内Ca^<++>濃度はフェニレフィリンの濃度に依存(10^<-5>〜10^<-7>M)して上昇し、その上昇はSHRの方がWKYの比べ大きかった。以上の結果から、SHRSP、SHRSR、WKY由来アストログリアは大動脈由来平滑筋細胞と共通する特徴を有し、その特徴は遺伝的に規定されたものであること等より、高血圧性脳障害を細胞レベルで研究するのに有用な研究材料であると考えられる。
|