研究課題/領域番号 |
63570168
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
渡辺 陽之輔 慶應義塾大学, 医学部・病理学, 教授 (20051013)
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研究分担者 |
梅沢 明弘 慶應義塾大学, 医学部・病理学, 助手 (70213486)
赤坂 喜清 慶應義塾大学, 医学部・病理学, 助手 (60202511)
山崎 一人 慶應義塾大学, 医学部・病理学, 助手 (40166640)
倉持 茂 慶應義塾大学, 医学部・病理学, 助手 (70137991)
宮内 潤 慶應義塾大学, 医学部病理学教室, 助手 (20146707)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 骨髄 / 間質細胞 / 電子顕微鏡 / ギャップ結合 / 造血幹細胞 / 単クロ-ン性抗体 / 細胞外基質 / 増殖因子 / 骨髄間質 / 単クローン性抗体 / 貧血マウス / 細胞株 |
研究概要 |
骨髄間質組織の超微形態学的研究として、今回は遺伝性貧血マウス(Sl/Sl^d)の骨髄間質細胞間のギャップ結合の頻度を定量し、その頻度が減少していることを認めた。さらに長期骨髄培養系におけるギャップ結合の存在様式を細胞内色素微量注入法を用いた細胞間色素移動により検索した。これにより、この培養系での壁付着細胞間ないしは壁付着細胞と造血細胞間にギャップ結合が存在することを認めた。また骨髄間質細胞間のギャップ結合を構成するコネクソンのmーRNAについては、心臓型のそれが検出された。以上からギャップ結合はin vivoとin vitroの系において明らかに存在し、貧血状態ではその数に変動が認められたことから、造血の恒常性に大きく関与する機能の存在が示唆された。ギャップ結合以外の超微形態学的研究として、細網細胞にisolated ciliaとマクロファ-ジのcrystalloid inclusionに存在する周期性構造を新たに認めた。 新たな骨髄間質細胞株KUM1〜9、YWならびにBE1〜3をC3H/Heマウス長期骨髄培養系から樹立した。前者(KUM1〜9、YW)は、それぞれ形態学的に異なる細胞株でありKUM4と6が脂肪細胞へ分化するものの、いずれの細胞株もNothern blotによる解析によればMーCSF、IないしII型コラ-ゲンの発現が認められた。 しかし、その他の既知の液性因子の発現は認められなかった。また後者(BE1〜3)は、管腔形成能と種々のマ-カ-検索から内皮細胞由来と考えられ、特にBEー1は造血幹細胞の捕獲能に富んでいることが示された。そしてこの捕獲能にはムコ多糖分子の介在が示唆され、これはINFーγやILー1βにより増強された。 抗骨髄間質細胞単クロ-ン性抗体Rー4ーAー9は、骨髄と脾臓の細網細胞と内皮細胞の表面抗原に選択的に反応し、骨髄性造血域間質細胞表面特異的抗原を認識している。胎児期においては、この抗原は卵黄嚢に反応性を示さないが胎児造血が営まれる肝臓に陽性反応をしめした。放射線照射後の再生・回復骨髄では低形成期に抗原の発現が強くみられたが、造血能回復ともに抗原発現が減弱し、抗原が造血細胞より先行して発現していることから造血微小環境機能を構成する表面抗原である可能性が示唆された。
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