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新しい唾液腺ミュータントマウスに関する分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570172
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

児島 昭徳  愛知県がんセンター研究所, 病理学第二部, 主任研究員 (60073136)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードNFS / N系マウス / 唾液腺ミュータント / マウス舌下腺 / 粘液腺分化異常 / 加齢に伴う遺伝子発現
研究概要

舌下腺腺房細胞において粘液腺への分化が強く抑制されているミュータントマウス、NFS/N-sld/sldと、正常コントロールマウスNFS/N-+/+を用いて次のことを明らかにした。1)sld遺伝子とヌード遺伝子(マウス11番目染色体)との連関を調べるため、両突然変異遺伝子を持つNFSマウスと正常A/Jマウスとの間でF_2マウスを作成した。結果、ヌードマウスにおける舌下腺異常マウスの割合は5/26と、期待値の1/4より小さく有意の連関は認められなかった。
2)分化の抑制された舌下腺腺房細胞のほとんどは、電顕的に漿液顆粒と思われる限界膜に包まれた電子密度が中程度の小型顆粒を腺腔側細胞質内に有する。この細胞が加齢に伴って直接粘液細胞に分化するかどうかは、小型顆粒と正常粘液顆粒の両方を有する細胞が見つかっていないため不明である。
3)かつて、一部のミュータント雄マウスにおていEGF産生の遅延が認められたため、多数の同腹sld/sldおよび+/+雄個体につき週齢を追って血中男性ホルモン、甲状腺ホルモンを定量するともに、マウスのEGF、β-NGFに対する特異抗体を用いて顎下腺線状部導管上皮内の増殖因子の含有を検討した。結果、染色性からみる限り両増殖因子の産生は、ミュータントマウスの顎下腺においても同齢の正常マウス並に認められた。また、電顕的にも顎下腺の粘液細胞は電子密度の低い融合した典型的な粘液顆粒を有しており、正常顎下腺との間に形態学的な差を認めていない。
4)舌下腺腺房に密着して存在する筋上皮や半月の漿液細胞等は、筋原繊維や小胞体の発達の程度からみてよく分化しており正常と考えられた。以上、sld遺伝子の発現様式は不明であるが、加齢に伴い多数のミュータント腺房細胞が正常形質(粘液細胞への分化)を発現することから、この突然変異は粘液の産生、貯留、分泌に必要な酵素の構造遺伝子の異常ではなく、それらの調節遺伝子の異常であることを示唆している。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 児島昭徳: Mouse News Letter. 80. 147 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 林良夫: America Journal of Pathology. 132. 187-191 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 児島昭徳: 日本病理学会会誌. 77. 138 (198)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 林良夫: 日本病理学会会誌. 77. 138 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 児島昭徳: 日本疾患モデル動物研究会記録. 5. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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