研究課題/領域番号 |
63570193
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高田 春比古 大阪大学, 歯学部, 講師 (30135743)
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研究分担者 |
三原 丞二 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員
小川 知彦 大阪大学, 歯学部, 助手 (80160761)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 内毒素 / リピドA / ムラミルペプチド / BRM / 腫瘍壊死因子 / インターフェロン / インターロイキシ6 / Bacteroides |
研究概要 |
細菌内毒素(LPS)ないしはその活性中心であるリピドAの抗腫瘍作用を医療に応用することを最終目標として、低毒性のLPSならびにリピドAの合成類縁体を供試し、MDPとの併用により、生体反応調節(BRM)作用を増強する条件を検討した。その結果、1.C3H/HeNマウスにMDPを静注後、4時間目に内毒素を静注すると、内毒素単独投与群に比較して、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロン-α/β(IFN-α/β)ならびにインターロイキン6(IL-6)の血中レベルが著しく上昇した。2.同条件下で、低毒性の合成リピドA前駆体(LA-14-PP)は内毒素活性の強いE.coli型合成リピドA(LA-15-PP)と同程度ないしより強い上記サイトカイン類誘導作用を示した。しかし、LA-14-PPはガラクトサミン負荷マウスに対して、LA-15-PPと同程度の致死毒性を示すという問題点を残している。3.Bacteroides属のLPSは低毒性であることが知られている。そこでB.intermediusよりいくつかの方法でLPSを調製し、それらの化学ならびに生物学的性質を比較検討した。その結果、フェノール・クロロホルム・石油エーテル混液(PCP)で抽出したLPSは、同菌より通常の熱フェノール・水抽出したLPSに比較して、収率、純度の両面で優れていた。しかも同LPSは、E.coliLPSに比較して、ガラクトサミン負荷マウスに対する致死毒性が1/100以下でありながら、サイトカイン類誘導能は同程度であった。4.Bacteroides属のLPSは、MDP前投与マウスに致死的なアナフィラキシー様反応を惹起することがある。しかし、LPSを電気透析後、トリエチルアンモニウム塩化すると、他の生物活性の減弱を伴わずに、アナフィラキシ一様反応惹起作用が消失することが明らかになった。 以上の成績を踏まえて、今後、より副作用の弱いMDP誘導体とBacteroidesLPSとを併用して、抗腫瘍活性を検討したいと考えている。
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