研究課題/領域番号 |
63570225
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
富永 明 熊本大学, 医学部・免疫研・生物学部門, 助教授 (50172193)
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研究分担者 |
高津 聖志 熊本大学, 医学部・免疫研・生物学部門, 教授 (10107055)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | インタ-ロイキン5 / トニンスジェニックマウス / Ly1^+B細胞 / 好酸球 / IgM / IgA / トランスジェニックマウス / インターロイキン5 / リンパ球様細胞 |
研究概要 |
マウスIL-5cDNAをマウスメタロチオネインプロモ-タ-に結合した組み換え体遺伝子を移入したC3H/HeNマウスの121個の受精卵より13匹のマウスが生まれ、そのうち2匹に移入したIL-5遺伝子が認められた。このIL-5トランスジェニックマウスにおいて未梢血中の好酸球が数倍に増加し、IgM,IgAの濃度も正常の2倍以上に増加していた(15週令)。この移入IL-5遺伝子がホモの個体を作製してその性質を検討した。このトランスジェニックマウスのIgM抗体は、SS-DNA,ds-DNA、ポリ(ADPリボ-ス)、ポリ(dT)、ポリ(I)、カルジオリピン、トリニトロフェニル基などに向いていた。これらすべての活性はSS-DNA結合ビ-ズで吸収され、その活性は0.5MNaClで溶出されることから、ポリリアクティブで弱い親和性をもつ抗体が産生されていると考えられる。好酸球の浸潤は骨随以外にも認められた。特に胆管の周囲、パイエル板の腹腔側、気管支の筋肉、大腿部筋肉内に見られた。またパイエル板に幼若化したリンパ球が多く認められた。さらに腹腔浸出細胞が約10倍に増加しておりそれらは好酸球とリンパ球であった。このマウスではカドミウムの腹腔内投与(20μg/マウス)によりIL-5の発現が24時間で2〜5倍に上昇し、脾細胞数が3×10^9にまで達した。特にB220^+、Ly1^+の初期B細胞が増殖しているのが認められた。好酸球のコロニ-は脾臓の表面にまで浸潤しており、白いパッチ状に見えるほどである。 IL-5は生体内で抗DNA抗体活性を含む広い特異性を持ったIgM抗体を産生させ、IL-5が感染に対する一次防御系に組み込まれていることを示すとともに、自己免疫病の一要因となりうる可能性を示している。
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